2戦連続PKを勝ち抜いた青森山田

 ■注目された名門校の敗退
 優勝候補に挙げられながらその栄光に手の届かなかった強豪校たち。まずは連覇を目指した市立船橋(千葉)。初戦となった2回戦で広島皆実との注目の一戦で2点差を跳ね返されるまさかの逆転負け。最多8回の優勝を誇る名門の夏はあっさりと終わりを迎えた。

 さらに決勝のピッチをあと一歩のところで逃したのはこの2チーム。05年以来の優勝へ挑んだ青森山田(青森)。2回戦、3回戦共にPK戦の末勝利を収めるなど苦しい勝ち上がりが続いた今大会。準決勝で東福岡に敗れ決勝進出とはならなかったが、競り勝つ強さを身に付けた経験は今後の戦いに活かされるだろう。

 その青森山田と並び3位となったのは前橋育英(群馬)。鈴木徳真、渡邊凌磨らを擁して目指した5年ぶりの全国制覇の夢は大津の前に潰えた。悔し涙にくれた虎はさらなるレベルアップを誓い、次なる目標である高円宮杯、選手権での日本一へと走り出す。

破壊力溢れるサッカーを繰り出した東福岡

■17年ぶりの栄冠を手にした東福岡
 昨年の福岡大会では地元の大きく期待を裏切る初戦敗退。リベンジに燃えた今大会は、初戦から力の差を見せつける快進撃となった。作陽(岡山)相手に6対0の圧勝という衝撃的なスタートをきるとその後も神戸弘陵(兵庫)、山梨学院高等学校鹿児島実青森山田を退けて決勝進出。決勝戦ではパスサッカーを武器に初の決勝を戦う大津相手に先制を許す苦しい展開。しかし後半終了間際の劇的な同点ゴールで追いつくと、迎えた延長戦で3ゴールを叩き込み終わってみれば4対1。歓喜の日本一に輝いた。

 日本一の称号に相応しい強さを見せつけた王者が展開したのは4-3-3の布陣から繰り出す攻撃的サッカー。増山朝陽、赤木翼のスピード溢れる両サイドアタッカー、8ゴールを決め得点王に輝いた木藤舜介が形成する3トップに加えて、MF中島賢星らクオリティの高い選手が揃い期待通りの活躍。全6試合で26得点5失点と、数字が表す通りの圧倒的な強さを見せつけた。

 日本一に返り咲いた“赤い彗星”の次なる目標は17年前と同じ高校三冠。戦いは高円宮杯U-18サッカーリーグ、選手権へと続いていく。

高校サッカー総体のレポート、結果、コラムは以下より。

▽総体2014年観戦レポート
高校総体2014年観戦レポート
▽日程結果
平成26年度全国高校総体サッカー日程結果
▽総体2014年特集
高校総体2014年特集コラム

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