――まず、石神井高校というチームについて教えてください。

横山創監督(以下:横山) :自分はこの学校に赴任して3年目になるんですが、自分と一緒にこの学校に入ってきた子たちがちょうど今の3年生です。赴任当初、生徒たちに「3年経ってお前たちが卒業する時にひとつ結果が残せたらいいね」っていう話をしてきました。

都立石神井高校サッカー部・横山創監督(左)

そこで今年を迎えて新人戦で地区優勝し、都大会で2つ勝つことが出来て、結果的にはベスト8に入ったんですが、その後のインターハイのゲームとかをやっていてもなかなか上手くできないことが多く、課題が浮き彫りになってきましたね。
練習試合でもいい試合が出来なかったり、自分たちが大会中まで出来ていたことが出来なくなっていたりという状況で、監督として彼らの持っているものをすべて、その場その場で出してあげたいなっていう気持ちがあって。うまく彼らの持ち味を出してあげられれば選手権なんかでも、おそらく予選は突破できるんじゃないかなって思っています。

今年は2年前と同じくここ(校庭)で初戦を戦います。2年前は学校の生徒たちの大応援団が来た中で、それまでベスト32とかいっていたチームが普段のプレーができずに初戦であっさり負けました。ヒールキックなんかしちゃったりしてね(笑)。今一番怖いのはそうなってしまうことですね。

――確かに、ちょっと格好つけたくなる気持ちはわかります。そこで石神井が目指すチームとは?

横山:攻撃が好きな子がディフェンスラインも含めて多いので、理想としては攻撃に特化して2点3点取って最少失点で押さえて勝ち進んでいきたいなっていうのはあります。
ある程度のプレーの指示は与えますが、そこから先はパターンじゃなくて相手を見ながらスペースを見ながら臨機応変に判断しなさいというところで期待しています。でも、練習と実際のゲームというところでスイッチの入れ方がまだまだ甘いと思いますし、トレーニング、練習と試合を結びつけるというのがまだ弱いなと感じています。
あとは校庭が狭くて十分にピッチを確保できないので実践的な練習があまりできないこともあってそこが今後の課題ですね。

――今日はグランドが広く取れて100人くらいの生徒を監督お一人で見られていると思うんですが、普段の練習環境は?

横山:普段はこのグラウンド全体の4分の1程度での練習に限られてしまいます。

――その狭い中で100人を見なきゃいけないということは非常に苦労もあると思いますが、特に心掛けていることなどはありますか?

横山:選手権が近いので、やっぱり本来は早い段階でAチーム+5人くらいに特化して調整したいという気持ちは正直あります。でもじゃあやる気のあるBチームの子や1年生はどうするんだと。都立ですから部活をやりたい子たちが入ってくるんです。3年生が卒業すれば次は下級生の番になるのでやっぱり全員が同じようにトレーニングを組みたい。ただ、ピッチが狭い。その狭い限られたピッチ、練習時間の中でいかに上手くやるかを模索し続けています。

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