第93回全国高校サッカー選手権大会決勝戦
【星陵vs前橋育英】

日時:1月12日 13:35kick off
場所:埼玉スタジアム2002

-展望-
 激闘の準決勝から中1日。4154校の頂点を決める熱き戦いはついにファイナルの時。決戦の地、埼玉スタジアム2002に集う両雄が“日本一”の称号を争う。

 1年前の忘れ物を取り返す舞台は整った。前回大会準優勝の星陵が2年連続で決勝に登場。河崎護監督不在の中迎えた今大会は初戦で鹿児島城西を下すと、米子北履正社を立て続けに退け3年連続での4強進出という快挙を達成した。そして迎えた準決勝日大藤沢戦でも“北陸の雄”は躍動。前回大会で主将を務めた寺村介らがスタンドで見守る中、序盤から積極的に攻勢をかけると、オウンゴールでの先制点をきっかけに今大会初先発となったMF杉原啓太、プリンスリーグ北信越得点王FW大田賢生に3戦連続となるゴールが生まれ3対0の完勝。ダークホースとして注目を浴びた日大藤沢相手に主導権を握り続けファイナルへの切符を掴み取った。迎える決勝戦、準決勝でも献身的に前線を駆け回りパスの引き出し役を担ったFW森山泰希、左右両サイドで高パフォーマンスを続けるMF藤島樹騎也ら多くの選手が好調を維持しているのは好材料。決勝でもサイドを起点に数的優位を作り出し、センタリングを多用する攻撃が中心となるだろう。また、ここまで4試合で1失点と自慢の堅守をピッチ上で体現する守備陣にも自身の色が覗えるだけに攻守に充実感が漂っている。

 対するは5度目の挑戦で鬼門の準決勝突破を果たした前橋育英。3回戦まではなかなか調子が上がらなかった攻撃陣も準々決勝京都橘戦での大勝で完全に目を覚ますと真価が問われた準決勝、流通経済大柏戦でも多彩な攻撃で好機を連発した。それでも、最終ラインを起点にハイプレスを継続する相手の前にゴールを奪えないもどかしい状況が続いた上、先制点を献上する苦しい展開となったが、頼れる主将MF鈴木徳真の一撃でドラマチックに追いつき、PK戦の末難敵を撃破した勢いは計り知れないものがある。大一番に向け、今大会ここまでゴールこそないものの確実に相手の脅威となっているMF渡邊凌磨を筆頭に、ここまで2ゴールのFW青柳燎汰や途中出場で流れを変えることができるMF横澤航平など豊富なタレントを誇る攻撃陣に不安要素は見当たらない。ダイレクトプレーを駆使しポゼッションを高めながら前線への圧力を強めていきたい。

【次のページ】 【第93回全国高校サッカー選手権】星陵vs前橋育英 名門激突の「蹴都移転」初ファイナルを大展望!(2)