-情熱の国が育んだ攻撃的スタイル-
そんなスペインのサッカーは、ロングボールの多用が目立つイングランドの「キック・アンド・ラッシュ」や、守備的戦術を志向するイタリアの「カテナッチョ」のような独自スタイルで形容される機会は少ない。これは、サッカースタイルが地域間で異なることが一因とされるが、それでもフィジカルよりもテクニック、守備よりも攻撃を重視する傾向にあると一般的には評される。つまり、多くのゴールシーンが生まれることを好むのだ。「1対0で泥臭く勝つより、3対4で美しく負けたい」。かつてスペインでプレーし、指導者として輝かしい功績を残したオランダ人名選手、ヨハン・クライフの言葉が見事にスペインサッカーを表している。

-スペインのリーグ制度とは-
リーガエスパニョーラ1部を意味するプリメーラ・ディビシオン(全20チーム参加)をピラミッドのトップに据え、以下、セグンダ・ディビシオンと呼ばれる2部(全22チーム)スペインサッカー連盟(RFEF)によって組織される地域別リーグ、セグンダ・ディビシオンB(3部相当)とテルセーラ・ディビシオン(4部相当)を配置。さらに、その下に19地域のサッカー協会によって5部以下のリーグが成り立っている。加えて、シーズン中にはカップ戦も開催。「コパ・デル・レイ」こと、スペイン国王杯や、前シーズンの国内リーグ戦優勝チームと国内カップ戦優勝チームが競う「スーペルコパ・デ・エスパーニャ」などがその代表格である。

-大久保嘉人、中村俊輔らかつて日本人もプレー-
これまで、スペインリーグでの挑戦を志し、日本人も海を渡った。かつては城彰二 (2000年~レアル・バリャドリード)や西澤明訓(2000年~RCDエスパニョール)、大久保嘉人(2005年~RCDマヨルカ・現川崎フロンターレ)らがプレー。セルティックFC(スコットランド)で活躍し、その名を世界にとどろかせた中村俊輔(2009年~RCDエスパニョール・現横浜F・マリノス)や、家長昭博(2011年~RCDマヨルカ・現大宮アルディージャ)といったところは記憶に新しいところではないか。

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■スペイン豆知識
人口約4651万人。国土は日本の約1.3倍。
首都はマドリード
サッカー好きならずともリーガ・エスパニョーラでお馴染みのスペイン。17の自治州からなり地方毎に独自の文化が色濃く残る。バルセロナはガウディの街と知られるように文化・芸術活動の中心として多くの観光客が訪れる。