写真:國學院久我山応援スタンド

■成立学園vs國學院久我山
 今大会ここまで名立たる強豪を退け、激戦区と目されたブロックを勝ち上がった成立学園。前回大会優勝校修徳と激突した初戦をMF河口海斗のゴールで制すと、続く早稲田実業戦はFW長島滉大、FW吉村伸のゴールで辛勝。迎えた準々決勝では今季T2リーグで昇格争いを演じた東海大高輪台を相手にPK戦の末引導を渡した。

 厳しい連戦を経て、チームの団結力も深まりを見せる。最大の強敵に挑む一戦、王者撃破は目標に掲げる10年ぶりの全国出場への布石となる。成立学園本来のスタイルである、ポゼッションを高めながら両サイドへ攻撃の活路を見出す形を多く作り出すことで主導権を握ってきたい。しかし、相手は東京屈指の攻撃力を持つ國學院久我山だけに、これまで以上に守備に負担が掛かることが予想される。守護神としてチームに君臨するGK吉澤凌らを中心にしぶとく耐える時間帯も必要となるだろう。試合の流れに応じた“攻守のメリハリ”をしっかりとつけることで勝機を探っていきたいところだ。

 対するは目標に掲げる3連覇へあと2勝と迫った國學院久我山。ここまで暁星高等学校国士舘と実力校の挑戦を退けてきた彼らには間違いなく王者の風格が漂う。対成立学園戦の今季対戦成績は1勝1分け。好データの後押しを受け、勝利を掴むことはできるのか。

 見る者を魅了する伝統的なパスサッカーは健在であり、攻撃を担うタレントは豊富に揃う。前回大会準決勝都立東久留米総合戦で決勝点を決めたFW澁谷雅也、同決勝の実践学園戦で貴重な先制点を挙げたMF鈴木遥太郎はここ西が丘に好相性。さらに3トップ下を務めるMF名倉巧や、FW小林和樹ら名前を挙げれば切りがないほどの選手層も魅力的だ。また、その攻撃を支える中盤、守備陣に目を移しても穴は見当たらない。GK平田周、DF上加世田達也といった1年生はチームの主力として存在感を示しおり、主将を務めるDF宮原直央は昨季から出場機会を得ていたボランチから右SBへとポジションを移し、攻守に安定感際立つプレーを披露してきた。

 國學院久我山の今季を振り返れば、関東大会、総体と共に決勝で関東一に敗れ準優勝留まり。2年ぶりに出場した全国総体では1回戦敗退に終わると、さらに1年でのプリンスリーグ関東復帰を目指したT1リーグでは4位に甘んじた。今季ここまで無冠の悔しさは2015年シーズンの集大成で晴らして見せる。有終の美を飾るべく、ディフェンディングチャンピオンが注目の一戦に臨む。

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2015年 第94回全国高校サッカー選手権東京二次予選

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