ただ、市立船橋が初戦で激闘する遠野(岩手)は侮ってはいけない好チーム。今年の3年生は佐藤邦祥監督の就任と共に入学した代で、DF畠山哉人(3年)やMF昆野翔太(3年)など東北でも屈指の選手が揃う。春からは地元・遠野中出身のGK浅沼英史(3年)が仙台ユースから加入し、手堅さは増している。プレミア勢を破っての快進撃はあり得るシナリオだ。帝京長岡(新潟)のFW堀颯汰(3年)と明桜のFW臼田成那(3年)によるエース対決が注目される一戦も、1回戦屈指の好カード。この勝者が2回戦で当たる旭川実(北海道1)もプレミアでは苦戦が続くが、DF庄子羽琉(3年)、MF柴田龍牙(3年)など選手は揃い、地力はある。

その他にもU-16日本代表のMF布施克真(2年)、サイドバックとは思えない攻撃力を誇るDF尾野優日(3年)らを擁する日大藤沢(神奈川2)も、激戦区を勝ち上がってきた実力は確かで上位にチャレンジできるポテンシャルはある。12年ぶりのプリンスリーグ東海で善戦を続ける海星(三重)、選手権優勝経験を持つ富山第一(富山)、フレキシブルな選手起用が目を惹く奈良育英(奈良)、中高一貫での強化が実り、18大会ぶりの出場を掴んだ高松北(香川)含め、どこが勝ち上がっても不思議ではないブロックだ。

 (文・写真=森田将義)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)