埼玉平成は浦和西を破り、関東大会の県予選2回戦へと駒を進めた(写真=多田哲平)

 目標は「県ベスト8の壁を超える」。

 昨年度の第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選では8強入りを懸けた決勝トーナメント3回戦で立教新座に敗れた。令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選でも3回戦で姿を消し、惜しくも準々決勝進出を逃している。

 まさに、ベスト8入りはひとつの鬼門となっているのだ。

 そんな埼玉平成にとって、大きな刺激になるトピックがある。

 卒業生でJリーガーの佐々木旭の活躍だ。

 流通経済大を経て川崎フロンターレに加入したDFはルーキーイヤーの今季、2月23日にプロデビューを飾ると、その3日後にはプロ初先発で初ゴールまで決めた。

 J1リーグ2連覇中で、今季も10試合消化時点で首位に立つチームで左SBのレギュラーを担う佐々木は、今ノリに乗っている選手のひとりである。

 浦田監督は思わず頬を緩ませ「めちゃくちゃ嬉しいですよ。今いる選手にもすごい影響を与えてくれていると思いますし、すごい勇気をもらっています」と教え子の話題に言及する。

 佐々木がもたらす明るいニュースは、埼玉平成の後輩たちのモチベーションにもつながっているだろう。

 浦田監督は言う。

 「彼らがどこまで受けているのか分からないですけど、少なからず影響はあると思いますね。日本のトップトップのチームで先発で出ているわけですからね。その活躍は今やっていることの延長線上みたいなところはあるから、今の選手たちには自信を持ってやってほしいなと思います」

 日本一とも言えるチームで活躍する先輩の姿に感化され、埼玉平成は飛躍を遂げるはずだ。ベスト8、それ以上の成績を残すポテンシャルは秘めている。

(文・写真=多田哲平)

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