市立尼崎の超攻撃的SB西川諒(写真=会田健司)
5月14日、令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選4回戦が行われ、市立尼崎は蒼開と対戦し2-0で勝利。
左SBの選手が流れの中で左からのクロスに頭で合わせゴール。
市立尼崎の先制点は通常ではあまり考えられない展開で決まった。逆サイドからのクロスにファーでもう一方のサイドの選手が合わせるというパターンはよくある。しかし同サイドからのクロスにSBがヘディングで決めるというのは。。。
市立尼崎の左SB西川諒はSHをやっていたという事もあって攻撃時にはインサイドに入ったり、サイドに張ったり。とにかく大胆なポジショニングでチャンスと見れば迷いなく前線まで駆け上がる。
「斜めの動きをされると自分も嫌なんで、相手のSBも嫌だと思うんです」
自身の経験から相手の嫌がる動きを心掛ける。「SBって自分の前で相手をみている方が守備がしやすいんです。だから一回内に入る事で相手に後ろを気にさせておいて、相手が絞ってきたらサイドが空いて、開いてきたら自分が受けて。そうやって数的優位な状況を作れるポジションを取っています」
最近では海外やJリーグでもよくみられるが、内側のレーンをSBが使う事で数的優位を作る動きだ。
西川は左足のキックの質が高く、足元の技術もあるので相手のプレスを嫌がらずにプレー出来る。そして何よりリスクを恐れないメンタルの持ち主だ。
後半開始から相手に押し込まれる時間が続いた中では自重していたものの、2-0になると再び高い位置を取り始める。近藤監督から「上がるな!戻れ!」と度々制止されていたにも関わらずである。そこについては「自分は1-0だったらリスクもあるので戻った方が良いと思うんですが、2点差だったら上がってもいいと思うんですよね」と笑う。
近藤照男監督に聞くと「ついつい上がって行っちゃうんですよね」と苦笑い。それでも「相手を見てサッカーをしようと言っているので、あれがうちのサッカーです」とポジション取りには頷き、「彼の左足は武器です。いいものを持っています」と信頼を寄せる。
この試合では直接狙える位置でのFKのチャンスが2度あり、どちらも西川が左足で直接狙った。しかし、「いつもは土で練習しているので感覚が合わなかった」とここでは精度を欠いて決めることが出来なかった。しかし味方がボールをセットする中、蹴りたそうにボールに近付き蹴ってしまうメンタルは頼もしい。
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選