「1年はゆっくりしようかなと思っていたんですけど、指導者ライセンスを取るために勉強したくて、波多(秀吾)さん(監督)に連絡したんです。『勉強させてくれませんか』って。去年は週1回くらい練習を見ていた程度でしたけど、今年から本格的に参加して、試合にも帯同させてもらうようになりました」

 現在、市立船橋は令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選八千代とのラウンド16に続き、中央学院との準々決勝も突破し、4強入りを果たしている。選手たちが奮闘する横には、セットプレー時にテクニカルエリアいっぱいまで出て指示を送ったり、ウォーミングアップ時にDF陣に声をかけたりする増嶋氏の姿がある。またピッチの外では映像関係の業務も務めているそうだ。

 「流れのなかで守備の修正をしたりもしますけど、セットプレーの攻撃と守備を基本的にはやらせてもらっています。セットプレーがカギになるとすごく思っているので、やりがいがありますね」

 指導者としてはまだ駆け出しだが、「毎日が勉強」だ。

 「いかに分かりやすく伝えるか。そこは日々学んでいます。僕の考えはあっても、まず選手がどんなことを意識してやっているのかを聞いてできるだけ尊重したいなと。押しつけは自分も嫌でしたからね。自分でいちから見せてしまったほうが楽なんですけど、選手が失敗した時とかは、なるべく考えさせるようにヒントだけを与えるようにしています」

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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選