柏レイソルU-18はJFAアカデミー福島U-18戦で今季3勝目を挙げた(写真=多田哲平)

 そうしたテクニックとタフネスの両方を兼ね備えるのが今年のチームの特長だ。酒井監督は、その積み上げについても手応えを隠さない。

【マッチレポート】柏レイソルU-18 vs JFAアカデミー福島U-18

 「選手たちはここまで、よくついてきてくれている。チームをリスペクトする協調性だけでなくて、個人の部分も成長して、チームとして大きくなってきている手応えはあります。今の選手たちは真面目なキャラクターで、すごく助かっています。

 もちろんまだまだ個人でやれることは伸ばさなければいけないけど、幅は広がっている。”阿吽の呼吸”というか、『ボールを持った時に、ここに走ってくれている』という、そういうイメージとスペースの共有が、成功体験を重ねてどんどんメモリー化されてきている」

 今後もリーグ戦は続くうえ、7月24日には第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会が開幕する。指揮官は今後のポイントを語った。

 「我々がこのチームに落とし込んできたものはすごく多いので、まずそれを継続することですね。毎日新しいものを身につけるスピードや身体作りも大事で継続しますけど、今まで身につけたものを見返し、初心に返ることも欠かせない。もう1度、基本動作に戻るというか。

 『止める』『見る』『的確にポジションを取る』。サッカーは予測のスポーツなので、そういったところを伸ばしていけば、勝手に選択肢の幅は広がる。これらをサボらずにやりきる集中力があれば、良いものが生まれてくるんです。

 暑くなって集中力が欠如する時期ですけど、そういうところを大事にして、阿吽のものを出せていきたいです。気配り、目配り、心配り、そういう基本的なものがサッカーも大事になるなと。サッカーは人生の縮図ですからね」

 阿吽の呼吸が生み出す、理想のサッカー追求へ。剛と柔を兼ね備える”シン・レイソルU-18”は確かな進化を遂げている。

(文・写真=多田哲平)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022 EAST
高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022 EAST