池田伸康監督(左)や阿部勇樹コーチ(右)に相談に乗ってもらいながらキャプテンとして奮闘(写真=多田哲平)

 そんな憧れを語る堀内だが、そのキャラクターは実に謙虚で真面目。『どこを買われてトップ昇格に至ったと思うか』と訊けば「頑張るところですかね」と謙遜して答える。

 「凄い技術があるとか、特徴的なところがあるというよりは、当たり前のことを当たり前にやることをずっと意識してきた。そこがもしかしたら買われたのかなって」

 『当たり前のことを当たり前にやる』というプレーには、堅実な性格がそのまま表れている。そんな堀内はしかし、今ひとつの壁にぶち当たっている。責任感が強いからこそ、『トップ昇格内定』による周囲からの期待やキャプテンの重責、10番としての使命感に悩まされることが少なくないのだ。

 「トップ昇格は、あまり意識しすぎると空回りしちゃうというか考え事が増えてしまうので、意識しないようにしているんですけど……。ただ見られていることには変わりないので、より責任ある行動をしないといけない。ミスしても、その分、他のプレーで返せるように。チームのプラスになるようなプレーはずっと意識してきたので、それを続けていくことかなと」

 キャプテンの役目についても「大変ですね」と本音を漏らしながらも、池田伸康監督や阿部勇樹コーチに相談に乗ってもらいながら試行錯誤を繰り返しているという。

 「ノブさんや阿部さんとかとも話すんですけど、そのあと家に帰って、結局また色々考えてしまう。解決して、また考えて、の繰り返しですね」

 ただ、そうした堀内の苦悩を理解しながらも、池田監督が重い責務を与えているのは、彼が乗り越えられると信じているからだ。

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