履正社のMF8小田村優希(写真=会田健司)
小田村はこれで選手権では2試合連発の3得点となったが、そこにはMF6森川楓太(3年)とFW9古田和之介(3年)の存在が大きいと話す。
「森川が戻って来て守備が安定して古田が活きるようになって、古田が活きることによって自分も活きる」とケガの影響で森川が長期離脱を余儀なくされたことで、新チームでは小田村がボランチを任されることが多かったが、森川が復帰し1.5列目にポジションを移したことで得意なプレーを発揮できている。
平野直樹監督はそんな小田村に対し「古田が汗をかいてるから小田村がおこぼれをもらっている。守備の貢献度もまだ低い。やりたいことを優先してし"俺イケてる"と思っている」と手厳しいが、「いいものを持っているんだからもっとできる」と期待も大きいからこそ出てくる言葉だろう。
逆に小田村は平野監督やスタッフに対し「ルール違反だったり問題を起こしてばっかりで、平野先生にはホンマに1年の頃から迷惑をかけていて、人生の中で一番感謝をしなきゃいけない人だと思っていて、履正社のスタッフ全員にもそう思っています」これまで迷惑をかけてきた分「だからこそ最後にいい景色を見せられたら」とプレーで恩返しをしたいと話す。
「履正社はサッカーだけじゃなくて野球もバレーボールも強いので、日々その子たちと一緒にいる事でお互い切磋琢磨できる。1年生のころから色んな部活で全国一を取って、"自分たちが最強の代になろう"と約束しているので絶対にその約束を守りたいと思っていますし、その約束のおかげで3年間頑張ってこれたのでそこは絶対に果たしたい」
お調子者で問題も起こしてきた小田村だが、支えてくれた人たちへの恩返しの気持ちや、仲間との約束が力の源になってこの選手権という大舞台で輝きを放っている。
この履正社一のお調子者が大阪の主役に躍り出れるのか。背番号8のプレーに注目だ。
(文・写真=会田健司)
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