3年生1人以外は1~2年生で最後まで戦い抜いた仙台二(写真=小林健志)

 後半に入ると、前半守備一辺倒だった仙台二が前へと出始める。「後半から真ん中が空いてきた」と聖和学園主将DF高木翔理(3年)は相手の隙を見逃さなかった。聖和学園は相手が上がった背後のスペースを狙うようになり、43分にはMF狩野遥人(3年)、44分には田代がこの日2点目となるゴールを立て続けに決めた。

 この後は聖和学園のゴールラッシュに。53分にはMF永井大士(2年)、54分にはFW五十嵐柊羽がいずれも混戦の中からゴールを決め、61分には田代が中盤でボールを奪ってドリブル突破からゴールを決めてハットトリックを達成。69分にはDF井口龍陽(3年)、70分にはFW柿沼弘大(2年)といずれも途中出場の選手がゴールを決め、9-0と終わってみれば仙台二をシュート0本に抑える圧勝で初戦を突破。10月25日の4回戦仙台西高戦に駒を進めた。

 聖和学園の加見成司監督は「初戦の難しさもあるが、良い形で点数が取れました」と評価した。ハットトリックの田代は「どんな形であれ点が必要です。少しでもゴールチャンスがあったら決めていきたい」と貪欲にシュートを狙う姿勢が実った。主将の高木は「シュートは打たれていませんが、一歩レベルアップしていたらカウンターを受けていたので修正したいです」と気を引き締めつつも「スーパープリンスリーグ東北が始まってから、週1回目の前の試合という目標があり、良い感じでチームができてきました」と手応えを感じている。

 4年ぶりの全国大会出場に向けて高木は「団結力が最後は大事です。2週間で優勝が決まる短い大会ですが、総力戦でしっかり準備して全国に行けるように頑張りたいです」と強い決意を語った。大きな目標に向けて、まずは一つハードルを乗り越えた。

(文・写真=小林健志)

▽第99回全国高校サッカー選手権宮城予選
第99回全国高校サッカー選手権宮城予選