決勝ゴールを決めた徳島市立MF織田大翔(写真=森田将義)

 「後半は前半の最後に綺麗な流れから、1点獲れたのが大きかった」。U-17高校選抜に選ばれる1番GK藤澤芭琉が振り返った通り、振り出しに戻した状態で後半を迎えたのは徳島市立にとって大きかった。後半に入ってからは推進力のある林と11番FW笠原颯太の2トップにボールが入る回数が増え、2人を起点に8番MF柴田侑茉らが2人目、3人目として飛び出していく場面が目立ち始めた。セカンドボールも上手く拾う回数が増え、相手陣内での時間が増えた。「ゴールへの推進力、奪った後の推進力が徳島市立の方がありました」と話すのは大浦監督だ。

 後半6分にはドリブルで中央を運んだ柴田から右前方へ展開。笠原のクロスから放った林のシュートはGKに防がれたが、PA内の混戦から、7番MF織田大翔が押し込んで逆転に成功した。17分には右サイド高い位置から、四学大香川西がロングスローを展開。中央で競ったこぼれ球を5番DF福平太一がボレーで合わせたが、シュートは勢いなくGKの正面に終わった。危ない場面を乗り切った徳島市立は終盤に入り、「面白い選手が多い」(河野監督)という1年生を投入。20番MF上田寛大(プレヴィスタFC)、28番MF山口凜太朗(FCフレスカ神戸)、20番FW鈴木悠哉(サルパFC)がそれぞれキラリと光るプレーを見せた。試合はそのまま2-1で終え、徳島市立が幸先の良いスタートを切った。

 今年のインターハイは徳島県での開催。全国大会での活躍を誓って、徳島市立への入学を決めた選手が多い。下級生の頃から試合経験を積んできた選手も多く、気合は十分。それだけに勝っただけでは満足していない。「基準を上げて、全国で戦えるチームにしないといけない。キャプテンだけでなく、全員がベスト4以上目指すという目標を持っていないと上には行けない」。藤澤の言葉通り、開幕戦で出た課題を修正し、全国基準でのチーム作りを進めていく。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 四国
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