FW近野伸大が長身を活かして先制点を奪取(写真=佐藤亮太)

 「この夏にやってきた守備でのハードワークができた。一定の評価はできる」と、この日柏を指揮した藤田優人コーチ。

 守備の下支えとなった4バックは1失点したものの、昌平の攻撃をことごとく、ふいにした。さらに判断の速さと正確さ、そして迷いのなさでほぼ破綻のないスムーズさが印象的だった。

 最終ラインを見るとキャプテン8池端翔夢をはじめ、池端とともにCBを組んだ17福島大雅。両SBについた10関富貫太、11大木海世が並んだ。

 ただどこか違和感があった。CB2枚はそれほど上背もなく、さらに背番号はどれもDFっぽくなく、むしろ前の番号だ。

 疑問に思い、試合後、藤田コーチに聞くと、4人そろって守備の選手ではなく、中盤の選手というから驚いた。

 「台所事情はある」と明かした藤田コーチは「この4人でそのまま中盤を構成できるメンバー」「ボランチ的CB」と評した。

 本職でない分、あれだけ早く決断、判断、はっきりと、思い切ったプレーができたのも腑に落ちる。

 では、起用の意図は何か?

 藤田監督は「将来のこと、その先を見据えたとき、どのポジションがいいのか。一歩、引いてみたときに可能性が広がっていく」

 「(守備面で)無駄な知識がない分、本職ではないからこそやってしまうプレーはでてくる。しかし、いまは良い部分、可能性の部分をみていきたい」。選手の伸びしろを生かすのが狙い。

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