流通経済大柏vs市立船橋(写真=松尾祐希)

 そうした嫌な雰囲気を2年生ストライカーが一掃する。8分、左サイドでFW郡司璃来(3年)が奪い返すと、ゴール前にクロスを供給。最後はFW久保原優心(2年)が合わせ、ファーストチャンスを決め切って先手を取った。

 以降も相手に押される展開となるが、ロングカウンターから追加点を狙いにいく。すると、19分だ。MF佐々木裕涼(3年)が自陣から前方に大きく蹴り出すと、郡司が右サイドを抜け出す。一気にゴール前に迫ると、鮮やかな個人技で相手CB高橋力也(3年)を振り切る。シュートフェイントで一度切り返した郡司はより確実に交わすべく、さらにフェイクを入れた。「もう1度切り返せば、相手が尻餅をつく」。冷静に相手の動きを読んだ10番は相手を手玉に取り、最後は角度のない位置から逆サイドネットにグラウンダーのシュートを突き刺した。

 圧倒的に押し込まれながらも2つのシュートで2点のリードを奪った市立船橋。以降は出足の鋭さが戻り、セカンドボールをうまく拾えるようになったことで、徐々に盛り返していく。36分に相手のCKからFW柳裕晋(3年)に1点を返されたものの、リードを守り切って前半を終えた。

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▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
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