MF16長谷怜が2ゴールでチームを救う(写真=会田健司)

 早い時間に履正社が幸先よく先制したが、ここから流れは金光大阪へ。エースのFW10太田陸斗(3年)が起点となり次々とチャンスを生み出していく。すると20分、ゴールキックをDFが跳ね返したところを前線でFW11岡田涼馬(3年)が落とすと、前向きで受けた太田がダイレクトで右足を一閃。相手GKの虚を突いた太田のミドルシュートがゴール左に突き刺さった。

 金光大阪が振り出しに戻した試合は1-1のまま後半へ。すると金光大阪がジョーカーのMF11上田大翔(3年)を頭から投入し勝負に出る。その上田は49分にクロスバー直撃のミドルシュートを放ち、ロングスローでも攻撃にアクセントをつける。

 金光大阪が勝ち越しゴールに迫る中、履正社も動く。流れを変えられるサイドアタッカーのFW24木村有磨(2年)を投入。そして「右サイドの時は縦を切られてやりずらかったので、途中で2トップにしてもらえないかベンチに伝えてもらった」と長谷の要望で1トップから2トップに変更し長谷がFWに移る。するとこの変更が奏功し、チーム一の俊足の長谷がカウンターからチャンスを作りだす。

 そして71分、相手のクリアを跳ね返したところを木村が頭で逸らすと、ボックス左で受けた長谷が左足のシュートフェイントでDFをかわし右足でニアを打ち抜いた。

 長谷のこの日2点目となる勝ち越し弾で再び1点リードとなった履正社は、その後の金光大阪の猛攻をなんとか凌ぎ逃げ切りに成功。2-1で勝利し決勝進出を果たした。

 試合後、2ゴールで勝利に貢献した長谷は「最高です。自分がやってやろうと思っていたので嬉しかった」とゴールを喜んだ。「お父さんがめちゃくちゃ足が速かったらしいので、お父さん譲りです」という自慢の快足を生かし、そして自主練で磨いてきたインサイドで強く打つ"コンセプトシュート"で奪った値千金の決勝ゴール。「また自分が点を取ってチームを勝たせたい」と決勝に向けて意気込んだ。

 決して盤石な試合運びとは言えず、むしろ金光大阪に主導権を握られていた時間も多かった履正社。それでも先に動いてきた相手に対し、選手交代やシステム変更で状況を打開し勝ち切った。プレミアでの経験や選手層の厚さが生んだ4年連続の決勝進出。平野直樹監督は「"大阪のサッカーのレベルがこれだけ高いんだぞ"とういのを見せれるように良い決勝になればいいなと思います」とコメント。

 2連覇にあと1勝と迫った履正社は11日に同スタジアムで行われる決勝で東海大仰星と対戦する。

(文・写真=会田健司)

▽第102回全国高校サッカー選手権大阪予選
第102回全国高校サッカー選手権大阪予選