2点目を決めた土谷飛雅

 キックオフとともにボールを支配した昌平は、個人技の高さと洗練されたグループ戦術で奈良育英を押し込み、敵陣で試合を進めた。

 2トップへの変更は試合開始からすぐに効力を発揮する。前半11分、鄭が左サイドから馬力のあるドリブルで運ぶと、中央に走り込んでいた小田にパス。このボールを確実に流し込んで先手を取った。

 これで勢いづいた昌平は、小田が14分と21分に決定打を放ち、鄭も17分に惜しいヘディングシュートで敵の守備網を崩していった。

 小田と鄭は、奈良育英の谷川琉希也と植村翔輝(ともに2年)の両DFに密着マークされたが、やすやすとマークをはがして前線で躍動する。

2ゴールを決めた鄭志錫

 小田は25分、右から正確なパスを中央のMF土谷飛雅(3年)に配給して2点目をアシスト。鄭は36分にMF長準喜(3年)のシュートのこぼれ球から自身の1点目を決めると、後半21分にも右足を鋭く振り抜いて連続ゴールを蹴り込んだ。

 2トップの編成について小田は、「志鍚はボールを収めるのがうまく、自分は(守備の裏に)抜け出すのが得意なので、お互いの特長を出し合えるのがいい」と話し、鄭も「晄平さんとはすごくやりやすいです。きつい時に守りでも助けてくれるんです」と2ゴールの喜びもあり、連係面を笑顔で説明した。

 昌平は4-0とした後、MF西嶋大翔(3年)、MF長璃喜(1年)、FW工藤聖太郎(3年)といずれも後半から出場した3選手が得点し、7-0という圧勝劇に貢献した。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
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