こう着状態の打開を狙った浦和南は、故障明けで万全ではないMF日高大佑(2年)を後半19分から投入。日高は昨年の全国高校選手権予選に3回戦から決勝までの4試合に交代出場し、新チームでは攻撃の要人として期待されるアタッカーだ。

 その日高が34分、左を突破して正確なクロスを送ると、中央で待ち構えていた掛谷が得意のヘディングで合わせて待望の決勝点を挙げた。

 狭山ヶ丘は前半26分に負傷した主将のCB田口将秀(2年)が交代しただけで、先発の陣容が最後まで奮闘。後半15分にFW竹内脩二(1年)が、右に外れる惜しい一撃を放ったのが唯一のシュートで、後半は思ったような攻めの形がつくれなかった。

 昨年は南部支部予選3回戦で敗退し、新人戦の県大会にも関東高校大会予選にも出場できなかったが、1年後は堂々のベスト4進出。しかし野崎正治監督は「去年の経験者も(ほとんど)いないし、選手層も薄くて厳しいチーム事情ですよ」と首をかしげる。

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▽令和5年度埼玉新人戦(新人選手権大会)
令和5年度埼玉新人戦(新人選手権大会)