聖光学院FW吉田友樹(3年)はスピードとゴール感覚を生かし2ゴール(写真=小林健志)

 後半は聖光学院がさらに攻撃のギアを上げて行く。48分右サイドから流れて来たボールが逆サイドの渡邉に渡り、シュートを決めて3点目。53分にはコーナーキックのチャンスから鈴木のゴールが決まって4点目。63分にも渡邉がゴールを決めて、ハットトリックを達成する。直後の65分にも吉田のゴールが決まり、大量6点のリードを奪った。

 大量失点してしまった野辺地西だが、最後に意地を見せた。84分FW堀田一希(2年)がゴール前で仕掛けてPKを獲得。DF池田汐凪(3年)がPKを決めて1点を返すが反撃もここまで、圧倒的な攻撃の破壊力を見せた聖光学院が6-1で勝利し、3年ぶりのプリンスリーグ東北参入を決めた。

 完勝だったが、聖光学院山田喜行監督は「野辺地さんの5年連続ここで負けた悔しさ、そして27年間青森を制した青森山田さんに負けた悔しさ、それでもひたむきに頑張っているチームで脅威でした」と相手をリスペクトして戦った。そして「選手たちが聖光スタイルを貫いてやってくれました。まず相手のサッカーを消す。そして隙を奪う。吉田友樹がカウンターを取ったり、渡邉陽路がPKを取ったりしたところはそれがうまくできました」とこれまで積み上げてきたことを忠実に選手たちが実行してくれたと振り返る。大一番でハットトリックを達成した渡邉は「昨日点が取れず悔しい思いがありました。今日は点を取ってやろうと思って試合に入って、ハットトリックできて良かったです」と東北生文大高戦でノーゴールに終わった悔しさを力に変えた。

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