T3リーグAブロック第4節正則学園暁星高等学校の一戦が新小岩私学事業団総合運動場で行われた。天候は曇り、やや涼しい気候の中18時にキックオフを迎えた試合は激しい点の取り合いとなった。

 先日の総体ではブロック決勝まで駒を進めるも、東海大高輪台に延長戦の末惜敗し、あと一歩のところで2次トーナメント進出を逃がした正則学園。Tリーグもここまで1勝2敗といまいち波に乗り切れない状況の中のでの戦いに4-4-2の布陣を組んで勝利を目指す。

 一方の暁星高等学校は総体では2次トーナメントに進出。成立学園に敗れたものの選手権へ向け手ごたえをつかんだよう。Tリーグでは2勝1分けと好調な滑り出しを見せているだけに、昇格に向けて勝ち点3が欲しいこの試合に4-4-2のフォーメーションで臨む。

 試合は早い段階で動きを見せる。正則学園は5分、左MF8番がDFラインの裏のスペースに抜け出し、GKと相手DFともつれ、倒れ込みながらも押し込んで先制点を決めた。幸先良いスタートを切った正則学園は9分にも追加点。中央でパスを繋ぎ、最後は左サイド6番の下へ。GKとの1対1を冷静に制した6番がゴールネットを揺らし、早くも2点のリードを奪った。Tリーグではここ2試合無得点と、攻撃面で苦しんだ正則学園であったがこの日はFW10番・行木勇人に加え、左MF8番が高いポジションを取り、前に人数を掛ける迫力のある速攻が機能していた。

 立ち上がりに課題が残った暁星高等学校は、DFラインの背後のスペースを狙い、走り込んでくる選手の対応に苦戦。マークの甘さも響き序盤の失点を喫した。それでも攻撃力のあるチームはすぐに反撃開始。前線への圧力を強めていくと16分、左サイドから3番のクロスに対し、正則学園DFが処理にもたついたこぼれ球をFW14番・宮川大史が蹴り込んで1点を返す。左サイドからの攻撃でゴールを奪った暁星高等学校のその後の狙いもピッチを広く使ったサイド攻撃。両サイドから次々と攻撃を仕掛け同点を狙った。

 暁星高等学校が1点を返した5分後の21分、今度は正則学園にセットプレーのチャンス。自陣からのFKをゴール前に放り込み、10番・行木勇人が頭で逸らしたボールに反応した8番が抜け出すと左サイドから確実に決めてまたもリードを2点に広げる。

 攻撃的なサッカーを展開する正則学園が3対1とリードし、このまま試合は正則学園の流れかと思われたが、逆に暁星高等学校がペースを握る展開となった。まずは26分、左サイドから14番・宮川大史、ゴール前8番、最後は右サイド6番へと繋ぎGKと1対1の局面を迎えたがこの決定機は逸した。28分には左CKのこぼれ球を9番・張智視が狙い、ゴール前で7番が少し触ってシュートコースを変えるも、僅かに枠を捕えることができず。

 それでも貪欲にゴールを狙い続ける暁星高等学校は31分、狙い続けたサイド攻撃がようやく実を結ぶ。右サイドからのクロスを中央で受けた9番・張智視がDFを交わして左足を振り抜く。左隅、絶妙なコースに突き刺して3対2と再び1点差に迫った。

 追い上げた暁星高等学校の一連の攻撃を支えたのはボランチを組む6番、7番。攻撃時には前線のスペースを狙う動きだしを繰り返し、さらに自らゴール前にドリブルを仕掛けるなど積極的な姿勢が目立った。中央にどっしりと構え展開力が主に問われるボランチというポジションで、2人の自由自在な動きは確実にチームにアグレッシブな連動性を生み出していた。

 完全に点の取り合いとなった前半は3対2、正則学園の1点リードで終了。両チームとも大きな変更はなく、勝負の後半戦を迎えた。

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