28分、関東一の直接FKのチャンスに冨山が低いボールでゴールを狙うが左に逸れてしまう。29分、今度は野洲がチャンスを迎える。右サイドのスローインから江口がトリッキーのヒールパスを7番高取へ。高取からリターンをもらうと左足で振り抜いたボールはクロスバーを直撃し先制とはならず。

 37分に野洲の江口、高取コンビでチャンスを作る。バイタルエリアでボールを受けた7番高取が8番江口にボールを預けダイアゴナルに走る。それを見逃さなかった8番江口はDFの隙をつきふわりと浮かせたスルーパス。高取は難しい体勢ながらも逆サイドに放ったボレーシュートはわずかにゴールの左に。

 前半はスコアレスのまま後半に突入。後半も野洲ペースでゲームが進む中、関東一にアクシデントが襲う。GK1番内野が負傷により交代を余儀なくされ、代わって1年生の21番北村海チデイが入る。急な交代でも落ち着いたプレーを見せる北村。

 それに呼応するように関東一のメンバーもアグレッシブな姿勢でゴールに迫る。61分に途中出場の2年生の重田快がエリア内に進入しドリブルを仕掛けるとDFに倒されPKの判定。これをキッカー10番冨山が右隅に沈め先制する。攻めながらも先制を許した野洲は交代策で更に攻める姿勢を貫く。しかし関東一は3番DF鈴木を中心に耐え続ける。ロスタイムにはセットプレーからのピンチをGK21番北村のファインセーブもあり試合終了のホイッスル。初出場の関東一が選手権での全国初勝利を掴んだ。

(文・佐々木竜太)