後半は、強まる雨の中、8番北本や10番利田を起点とした力強い暁星高等学校の攻撃も、7番小野寺や11番五十嵐を中心として両サイドから攻める都立東久留米総合の攻撃も、勢いを弱める様子を見せなかった。
 後半39分には都立東久留米総合がシュートを放つもポストに跳ね返される。ルーズボールを狙った暁星高等学校10番利田がカウンターからゴール前まで運び、さらに自分で右足でのシュート。しかし惜しくもボールはゴール外へ。ここで80分の前後半が終了し、試合は10分ハーフの延長戦へと進んだ。
 試合が動いたのは延長前半9分。暁星高等学校が、ゴール前での混戦から4番中塚のヘディングシュートで待望の先制点を得る。追加点が欲しい暁星高等学校と何としても1点を返したい都立東久留米総合の激しい攻防が続いた延長後半9分、都立東久留米総合はCKから4番古川が頭であわせると、ボールはゴール右隅へ。劇的な同点ゴールとなった。
 延長後半終了間際まで、両校とも貪欲に勝ち越し点を狙うも、1-1でタイムアップ。勝敗はPK戦にゆだねられた。

 PK戦は暁星高等学校が先攻をとった。
 3人目まで両校選手順調に決めるが、都立東久留米総合の4人目を、本日猛攻をはじき続けてきた暁星高等学校GK小熊がセーブ。暁星高等学校5人目、決めれば勝利が決まるところをキャプテンの6番前田がきっちりと決めた。
 T2リーグ順位で見ると、大きなジャイアントキリング。粘り強く自分たちのやるべきことを貫いた暁星高等学校が見事に次戦へ駒を進めた。

 試合後、暁星高等学校の前田勇キャプテンは「前後半を0-0で折り返したとき、延長・PKでは勝てるという自信はあったが、先月のT2リーグで大敗していた久留総(都立東久留米総合)に、まさか勝てるとは思っていなかったので嬉しい」と語ってくれた。
 暁星高等学校の林監督が「よりいっそう引き締めて臨んでほしい」と選手たちへ呼びかけた2回戦は、4月16日(日)に駒沢第2球技場でT1リーグ所属の國學院久我山と対戦する。

(文・写真 編集部)