そして、迎えた後半。先に前半の課題を改善させたのは市立長野だった。ハーフタイムに中盤のポジショニングを微調整。新井が最前線から下がらずともパスを繋げるようになり、ボールの流れがスムーズになる。これでリズムを取り戻すと、後半20分に試合が動く。右サイドを駆け上がった小林恭也が中にクロスを入れると、猛然と走り込んで来た新井が右足でボレーシュート。これがネットに突き刺さり、待望の先制点を生まれた。

 これで波に乗ると、直後の同26分には新井のCKから、最後は稲葉宏貴が頭でねじ込んで試合を決定付ける。終盤は鹿島学園の反撃に遭い、飯塚寿輝也に1点を返された。それでも、何とか最後のところで踏みとどまり、見事に1回戦を突破。2度目のインターハイで全国大会初勝利を手中に収めてみせた。

 

(文・写真 松尾祐希)