しかし、これで終わらないのが全国総体の難しさだ。昨日の1回戦と比べ、天候も回復して気温も上昇してきたなかで、後半に入ると日大藤沢が反撃を開始する。
「引かないで、強気を貫く。ゴールとボールを奪うサッカーをしよう」
佐藤輝勝監督からハーフタイムに檄を飛ばされた選手たちは、その言葉を体現すべくキックオフ直後から敵陣へ猛進。最前線の柏木純を軸にゴールへと迫り、試合の流れを一気に引き戻す。そして、更に攻め手を増やすべく、スーパーサブ・三田野彗を同21分に投入。この策が見事にハマると、直後の同23分に三田野がファーストタッチで値千金の同点弾。さらに直後の24分には左SB中村翔輝のクロスがオウンゴールを誘発し、僅か1分で試合をひっくり返すことに成功した。

 その後は昌平の猛追にあったが、何とか凌いで無失点。終了間際には主審がアディショナルタイムを間違え、タイムアップの笛を誤って吹いてしまうハプニングにも見舞われた。それでも、最後まで集中力を切らさなかった日大藤沢が2年ぶりに2回戦を突破。「リベンジしたいと思っていた」という指揮官の言葉通り、鮮やかに昌平撃破を成し遂げた。

 

(文・写真 松尾祐希)