スピードのある11番池田、中盤で技術を発揮する10番篠原、対人での強さを誇る9番村井とバランスの良い攻撃陣が実践ゴールを襲う関東一は、後半14分に欲しかった追加点を挙げる。11番池田が相手DFの隙をつき、ボールを奪うと、そのままGKと一対一のシーンを迎える。これを鮮やかなループで冷静にゴールに沈め、リードを2点に広げる。

 一方、このまま負けられない実践学園はここから怒涛の攻撃を開始する。後半19分、左サイドからのクロスを7番前原がスルーすると、相手がつられた隙に後半から出場の9番村上圭吾がしっかりと押し込み1-2とする。更に同24分には実践学園がコーナーキックのチャンス。10番武田がヘディングで折り返すと、9番村上がゴールに押し込みこの日2点目を決める。これで2-2の同点とする。実践学園は7番前原、9番村上、10番武田に加えて、右サイドなどでは14番大関友貴等フレッシュな選手が絡み、攻撃に厚みを増す。勢いづく実践学園に対し、GK北村がスライディングでギリギリにゴールを防ぐなど耐える時間が続く関東一。

 しかし、次の1点を決めたのは関東一だった。後半30分に、エース10番篠原がこの日2点目を決め、3-2とリードする。エースが土壇場で決勝ゴールを決めると、このまま3-2で試合終了のホイッスル。一瞬勝ちが見えたかに思えた実践学園であったが、関東大会予選決勝(レポート)の雪辱を晴らすことは出来ず。安定した強さをみせた関東一が総体予選でも優勝を果たした。決勝に相応しい好ゲームをみせた両校の全国での躍進を期待したい。

(文・写真 石津大輝)