立ち上がりからなかなか互いに決定機を作れないなか後半29分、桐蔭学園キャプテン4番DF原川凌太朗が、この日2枚目のイエローカードで退場処分に。桐蔭学園は3番FW森山翔介をセンターバックに下げ対応するも、ディフェンスの要を失った桐蔭学園に桐光学園が猛攻を仕掛ける。同32分、桐光学園は6番DF渡辺大智がペナルティエリア内へドリブルで侵入し身体を寄せられ倒れて笛がなるも、判定はシミュレーションで6番DF渡辺大智にイエローカード。5分もすると桐蔭学園は1人少ない布陣にも慣れ、これまで通りダブルボランチを中心にボールを支配する。一方、サイドで数的優位を作り攻撃を仕掛ける桐光学園だが、クロスの精度を欠き決定機を作ることが出来ない。このまま後半が終了し、試合は延長戦へ突入。

 疲れが見え始める数的不利の桐蔭学園は、延長前半立ち上がりから劣勢に立たされる。ボールを支配する桐光学園は何度も桐蔭学園ゴールに迫るも、急増センターバックの12番DF吉田剛と3番FW森山翔介を中心に集中力を絶やさずゴールを割らせない。前後半20分間の延長戦では決着がつかず、試合はPK戦へ突入。

 先攻が桐蔭学園、後攻が桐光学園で行われたPK戦は、互いに全てを決めて回ってきた5人目桐光学園、キッカーはキャプテン7番MF田中雄大。決めなければ負けの大事な一球。助走を短く取り蹴り出したボールは、無情にもゴール左上へ逸れノーゴール。この時点で14年ぶりの桐蔭学園の優勝が決定。敗れた桐光学園は3年連続での選手権出場を逃した。

( 文・写真 甲斐雅人 )