スコアレスで終えた前半を経て迎えた後半、顕著となった攻撃の構図は「ショートパスから活路を見出す“地上戦”の國學院久我山」と「ロングパスを多用する“空中戦”の柏日体」。互いに持ち味を前面に押し出しながらゴールを狙った。

 前半、何度か良い形を作りながらもノーゴールで終えた國學院久我山は後半も得意のポゼッションで好機を探る。MF名倉巧、MF鈴木遥太郎の両インサイドハーフがスペースに顔を出し、ボールの供給役を担う。両サイドを活用しながら中央打開を図ると55分には、左サイドFW澁谷雅也のパスからFW多嶋田雅司が反転シュート。しかし、柏日体GK海老根滉大の好セーブに阻まれゴールには至らない。

 中央を確実に固め、國學院久我山に決定的なラストパスを許さない守備を継続する柏日体。守備の奮闘が攻撃陣に火をつけたのか、劣勢の柏日体に試合終盤、待望のゴールが生まれた。32分、FW藤岡優也が前線へと送ったロングボールに対し、MF大久保賢人が競り勝つと相手DFのミスも誘ってゴール前ビックチャンス到来。最後は大久保自ら、冷静に蹴り込み値千金の決勝点を奪った。

 主導権を握り続けながら、ワンチャンスをモノにされた國學院久我山。途中出場のFW安藤謙生らが積極的な動きを見せるものの、守備ブロックの強度が増した柏日体を最後まで崩し切れず。ラストチャンスとなった40分の攻撃、DF宮原直央のシュートもバーの上を越え、終戦となった。

 柏日体がまさに粘り勝ち。國學院久我山を1対0で退け、2回戦進出を果たしている。

(取材・文=金子 侑史)

▽大会日程・結果
平成27年度第58回関東高校サッカー大会