MF松村優太(写真=森田将義)

 対抗は、数多くのJリーガーを輩出する名門・静岡学園(静岡)。染野と同じく鹿島への入団が内定するドリブラーMF松村優太だけでなく、DF阿部健人、FW小山尚紀ら各ポジションに実力者が揃い、タレントの質は今大会でも屈指。上手さと力強さを兼ね備えたチームだけに、MF山田龍之介、FW岡田知也ら実力者を擁する岡山学芸館(岡山)との初戦を突破できれば、上位進出も見えてくるだろう。11年ぶりの出場となる筑陽学園(福岡)も東福岡の7連覇を防いだ実力は侮れない。DF吉村颯真とGK野中友椰を中心とした堅守からのショートカウンターが武器で、予選を接戦で勝ち上がった通り、勝負強さが光る。筑陽学園と初戦で対戦する初出場の愛工大名電(愛知)は、苦しい展開が予想されるが、ポテンシャルの高さが目を惹くGK安原哲平にとっては格好のアピールの場になるかもしれない。

 2年連続で青森山田と対戦し、初戦敗退が続く草津東(滋賀)は雪辱を晴らす格好のチャンスかもしれない。東久留米総合(東京B)が繰り出すMF佐藤海翔と野口太陽のサイド攻撃を封じ込み、エースFW渡邉颯太にボールを集める回数を増やせれば、勝機がグンと高まるだろう。このブロックで面白そうなのは、丸岡(福井)と長崎総科大附(長崎)の組み合わせだ。FW田海寧生を中心にボールロストを恐れずゴールに挑み続けるアグレッシブな攻撃が光る前者に対し、長崎総科大附もエースMF千葉翼を起点にFW近江光と岩永空潤の両ウイングが、果敢に縦突破を挑み続ける積極性が持ち味。一瞬でも気を抜けば、失点のリスクがあるカードなだけに守備陣の集中力が勝負の行方を左右しそうだ。

 山形中央(山形)と今治東(愛媛)、チームを牽引するCBの対決に注目が集まる。竹田憂斗(山形中央)と大谷一真(今治東)は共に上背と全国的な知名度は高くないが、競り合いの強さは目を見張る物を持っている。粘り強く無失点を続け、勝利を引き寄せるのはどちらになるだろうか。

(文・写真=森田将義)

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