京都橘MF佐藤陽太(写真=森田将義)
他にもDブロックは拘りを感じさせる注目校が多く揃う。主将のDF長江皓亮を筆頭に大型選手が揃う矢板中央(栃木)の守備力は全国でも上位。空中戦の強さを押し出した戦いはトーナメント向きだ。彼らと1回戦でぶつかる大分(大分)は、真反対の足元重視のポゼッションサッカーが売りで、MF重見柾斗とFW菊地孔明のセンスは光る物がある。矢板中央が繰り出すパワフルな仕掛けを防ぎ、自らの戦いに持ち込めるかがポイントになるだろう。帝京大可児(岐阜)と大手前高松(香川)のカードは互いにパスワークが売りのチームで拮抗した展開が予想される。鍵になるのは飛び道具を活かせるか。前者にはDF神戸政宗、後者にはMF滝平昂也という強肩がいるため、勝敗を分けるのは地上戦ではなく、空中戦となるかもしれない。
ダークホースとなり得るのが、松本国際(長野)。FW木間皓太郎と小林丈太郎のダブルエースを活かした戦いが持ち味で、今年はDF滝澤大輔や小山成格ら大型選手の力強さを備えているのが強みだ。1回戦で当たる和歌山工(和歌山)も、司令塔のMF岩橋陽世を中心としたコレクティブな組み立ては一見の価値あり。多くの選手が卒業を機に就職するため、サッカーに打ち込めるのもあとわずか。最後の晴れ舞台に挑む彼らの勇士にも注目して欲しい。
伝統校の四日市中央工(三重)に挑む格好の初出場の日大明誠(山梨)は粘り強さがチームの信条。選手権がプロ入りをかけた就活の場となる天才ドリブラー・MF森夢真やFW田口裕也(鳥取内定)による迫力十分の攻撃を封じ、全国大会初勝利を狙いに行く。
(文・写真=森田将義)
第98回全国高校サッカー選手権