山梨学院GK熊倉匠

 優勝候補のひとつと目されていた昌平(埼玉)、2年連続ベスト4の帝京長岡(新潟)を次々に撃破し、決勝に名乗りを上げた山梨学院のキャプテン、熊倉匠(3年)は堅守を誇るチームの大黒柱だ。

 最後尾から途切れることのないコーチング、シュートストップの反応のよさはチーム全体に安心と安定をもたらす。

 準決勝の帝京長岡戦では2点を先取しながら追いつかれ、PK戦にもつれ込んだものの、GK熊倉が2本止める大活躍。「今日は何もできていなかったので、“やってやるぞ”と思いながらPK戦に臨んだ」と、プレッシャーがかかるPK戦はむしろ得意である。山梨学院の長谷川大監督も「熊倉はどんな状況でも落ち着いている。止めてくれると信じていた」と、全幅の信頼を寄せている。

 山梨学院のユニフォームの胸には二度の全国制覇を意味する2つの星が輝く。ひとつは11年前の選手権制覇。そして、もうひとつが18年度の高校総体初優勝だ。当時、1年生だったGK熊倉は背番号17をつけてベンチにいた。チームの絶対的守護神ながら今大会も1番ではなく、17番にした理由はそこにあるのだとか。

 山梨学院対帝京長岡は準決勝の第一試合だったため、決勝の相手が青森山田になるか、矢板中央になるか、試合終了直後はわからなかったが、いずれにしても「自分たちが目指しているのは優勝」と明言。ユニフォームに3つ目の星をつけるべく、大一番に挑む。

 1月11日、埼スタ。キックオフは14時5分を予定。

 チームの結果を左右するであろう、それぞれのキーマンにやはり目が離せない!

(文=小室功)

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権