米子北イレブン(写真=寺田弘幸)
Dブロックは昨年準優勝の米子北(鳥取)がシードとして2回戦から登場する。今季のスタートは思い通りのチーム強化が進まず、出遅れも予想されたが、蓋を開けてみればプリンスリーグ中国で首位に位置しており、今年も勝負強さは健在だ。中盤以下ならどこでもこなせるDF野田徹生(3年)とボランチにも対応するFW福田秀人(3年)の2人に加え、一発のあるFW小橋川海斗(3年)もいる。チームカラーである粘り強さに磨きをかければ、今年も上位はあり得る。
米子北への挑戦権をかけて戦うのは、高知(高知)と高川学園(山口)。高知は相手を見て的確にボールを動かしながら、MF松井貫太(2年)らがゴールに迫っていくのがスタイル。築き上げてきたサッカーが、DF岡楓太(3年)、MF武藤尋斗(3年)といった選手権4強経験者が残る高川学園相手にどれだけ通用するか注目だ。
隣の山に位置する尚志(福島)と山梨学院高等学校(山梨)の組み合わせは1回戦屈指の好カード。「正直、自分たちの学年はあまり強くないと言われていた」とDF山田一景(3年)が話す尚志だが、1月末の東北新人大会では優勝。プリンスリーグ東北でも上位争いを繰り広げており力はある。FW網代陽勇(2年)ら夏を機にブレークしそうな選手も多く、前評判を覆す可能性はある。山梨学院高等学校もMF野田駿人(3年)、FW栃尾瞭太(3年)ら前にタレントがおり、白熱した試合が見られそうだ。
もう一方の山で目を惹くのは神村学園(鹿児島)。今季の高校サッカー界の顔と言えるセレッソ大阪内定のMF大迫塁(3年)、FW福田師王(3年)だけでなく、実力派のMF笠置潤(3年)、スーパールーキーのFW名和田我空(1年)と各ポジションにタレントが揃う。「もう少し相手を見ながらサッカーが出来なければいけない」と有村圭一郎監督が挙げる課題が解消できれば、トーナメントを勝ち上がるだけの可能性は秘めている。
ただ、2回戦で当たる可能性がある履正社(大阪1)はプレミアリーグWESTに所属する実力校。ハイプレスから、プロ注目のMF名願斗哉(3年)、FW古田和之介(3年)が襲い掛かる攻撃のキレは鋭い。U-17日本代表のDF西坂斗和(3年)ら目を惹く選手も多く、タレントの充実ぶりでは神村学園にも負けていない。昨年の選手権準決勝で悔しさを味わった関東一(東京2)も、FW本間凜(3年)、MF湯田欧雅(3年)ら実力者がいる。昨年果たせなかった準決勝の先を狙う気持ちも強いはずで、勝ち上がりを後押しする力になりそうだ。
その他にも明桜(秋田)の攻撃を牽引するFW佐藤拓海(3年)、高卒でのプロを目指す四日市中央工業のFW平尾勇人(3年)、左足が魅力的な東海大諏訪(長野)のDF泉田幹太(3年)ら注目選手は多い。激戦区を勝ち上がった湘南工大附(神奈川1)も含めて、どこが勝ち上がっても不思議ではないブロックと言えそうだ。
(文=森田将義)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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