3回戦で当たる可能性があるのは、これまた全国常連校の高川学園(山口)。U-17日本代表候補に選ばれるFW山本吟侍(3年)は最終学年を迎えた今季、プレーのスケールが増し、簡単には止められない選手になっている。主将を務めるDF藤井蒼斗(3年)のリーダーシップや、突破力に秀でたMF佐藤大斗(3年)もいて、大会を盛り上げる要素は十分だ。

 反対の山には9大会ぶり21回目の出場となる武南(埼玉)、12大会ぶり21回目の出場となる国見(長崎)といった伝統校から、広島国際学院(広島)、帝京第五(愛媛)といった初出場校まで多種多様なチームが並び、どこが勝ち上がってもおかしくない。強いて有力校を挙げるなら、激戦区を制した金光大阪(大阪1)だろうか。「今年は新チームになって、高校生相手にほとんど負けていない。失点が少なく、割りと力のあるチーム」と評するのは岩松哲也監督で、今年はチーム全体にハードワークの意識が行き届いており、大崩れの心配が少ない。前線にFW上田琥太郎(3年)、太田陸斗(3年)が揃うのも心強く、トーナメント向きのチームと言える。

  その他にもFW朝野夏輝(3年)、大薗一柊などアタッカー陣に実力者が揃う初芝橋本(和歌山)も力は十分で虎視眈々と上位を狙っている。ザスパクサツ群馬の守護神だった北一真監督率いる金沢学院(石川)、地元の期待を背負う札幌創成(北海道2)も初出場とは思えない力を持っており、華々しく全国デビュー戦を飾ろうとしている。

 (文・写真=森田将義)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)