日大藤沢イレブン(写真=松尾祐希)

ーーこの時期にどう取り組むかは重要ですよね。

 そうですよね。最大の目標は日本一です。しかし、彼らはそれ以上にサッカーや壁にぶつかった時の乗り越え方を学んできました、今は未曾有の危機を迎えていますが、前向きに捉えて次に進む作業が重要なんです。ですから、私は選手達に他人と約束をする提案をしました。オンラインでの活動が増えたので、選手達の変化をなかなか感じ取れません。だから、この期間で何をやるべきか約束し、取り組む環境を作ったんです。約束するのであれば、私も同じようにしないといけません。
 そこで私は、練習再開後に最高のトレーニングを用意するために勉強することと、自身のダイエットを約束したんです。恥ずかしい話ですが、体重を伝え、そこから-10キロの減量を約束しました。だから、君達も何か約束しなさいと。人間は誰でも弱い部分があります。自分との約束は破っても誰も文句を言いません。であれば、自分ではなく人と約束したほうがいいんです。実際に私も選手との約束は破れないので、-10キロの減量に成功しました(笑)。選手達もチームで約束を共有しながら、取り組んでくれていましたね。

ーー「活動再開後に最高の練習環境を作る」とおっしゃっていましたが、実際には何を学ばれたのでしょうか。

 活動自粛中はヨーロッパのサッカーをじっくりと分析しました。現在、日大藤沢で取り組んでいるスタイルはヨーロッパからエッセンスをもらっているのですが、誰かが問いただして現地で得たものではないんです。ヨーロッパでの考え方を自分たちなりに解釈してチームに落とし込んでいるので、もう1度しっかりと向き合おうと。実際に新しいアイデアを得られたので良い時間となりました。

ーー後編に続く。

(文・写真=松尾祐希)