久留貴昭監督(写真=藤原裕久)
創設期のV・ファーレン長崎でプレーし、2010年を最後に現役を引退した久留貴昭監督が就任した当時、創成館は県内でも初戦敗退が当たり前という状況だった。それから10年、試行錯誤を繰り返して、素人だらけだったサッカー部は県屈指の強豪へ成長し、2020年の全国高校サッカー選手権へ初出場を達成した。初の選手権を経験した創成館は何を感じ、そして新チームはどうなるのか、久留監督に話を聞いた。
ーー念願だった選手権を戦った感想を教えてください。
本当に良い経験でしたね。もちろん足りない部分はありました。でもそれは、どのチームも一緒だと思うし、もの凄く遠いわけじゃないなとも感じました。あの舞台にまで行ければ、そこから先の勝負ってわからないと思いましたね。戦えない場所ではないと感じました。
ーー足りない部分とは具体的にどういった点ですか。
思ったよりもフィジカルが強いチームが多かったところですね。フィジカルについては、やってきたつもりだったんですが、それよりもさらに上のレベルだった。逆に相手のドリブルがうまいとかのテクニックに関する部分では、警戒し過ぎずに思いきりやれたら良いと思いましたね。
ーー選手権を経験したことで、サッカー部の中で意識に変化などはありましたか。
変わったと思いますけど、それで実際にどうするのかという段階ですね。新人戦なんかを戦っていても、まだ何をやるのかという整理ができていない。それに意識というか、子どもたちの中にある一番深いところにあるものが、一気に変わるものでもないですからね、そこは長い目で見ていこうかなと(笑)。僕自身も、選手権に行ったから今までと違うサッカーをやるわけじゃないですからね。新チームを見て、また球際にこだわって、目指すサッカーをやって、積み上げていきたいと思っています。