――今年の攻撃陣には1年次からレギュラーを務めていた崎山友太選手や、2年生では佐野航大選手、鈴木慎之介選手という成長株もいますが、彼らの成長はいかがでしょうか。

 圧倒的な速さやフィジカル能力に長けていないけど、ポテンシャルがないわけではない。体格は小さいけど、チームのためにという意識があって欲しいですね。そこは去年以上に期待しているポイントです。

――去年は武器がはっきりしている子が多く、攻撃の形が見えやすかったですよね。

 そうですね。去年は特徴を出しまくっていたけど、今年はもう1度ハードワークをして、少ないチャンスをモノにできるようにしつつ、0-1や0-2から攻撃に転じる際に効率よく攻められるか。カウンターを受けずに攻めて得点を取る方法を編み出さないといけません。

――攻撃の課題と向き合う一方で、守備陣は高橋君が卒業しました。

 今年の最終ラインは180センチ以下。去年は180センチ以上の選手ばかりでした。今年は小さいので、守備陣はいろんな経験を積まないといけません。

――そこまでシフトチェンジするのは、就任されて初めてですか?

 毎年、新しいことにチャレンジはしています。今まであったものを大事にしながら、その年の選手にあった特徴を出して戦うことがベースにあるんです。だから、去年はやんちゃな性格な子が多かったので、怒ってはいたけど、型にかっちりはめることはしませんでした。プレーの面では「あれしちゃダメ」ということが少なかったかもしれません。逆に今年はそうではないので、ある程度選択肢を与えたほうがいいと感じているのはそのためです。

――今年はそこのアプローチを変えていくと

 そうですね。北高らしく精度を上げて、強いチームが対戦したくないと思う集団にしていきたいです。

――最後に意気込みを教えてください。

 プレミアリーグに昇格するのは大変ですが、もう1度あの舞台に立ちたいです。そうすれば、県リーグ1部のBチームもプリンスリーグ中国で戦える可能性がありますし、何より一つでも上を目指すことが成長に繋がります。「プレミアリーグに昇格したい」、「選手権で優勝したい」という目標を持つだけで選手はもっと成長できると思います。

(取材=松尾祐希)