日本代表でも活躍した鈴木啓太氏

―高校の一番の思い出を教えてください
 高校サッカーの場合って、高校サッカー選手権に出ることが夢じゃないですか。でも僕は全国大会に一度も出られなかったんですよ。それが一番の思い出です(笑)1年生の時は清水東は元日本代表の高原直泰さん(沖縄SV)がいて、清水商には同じく元日本代表の小野伸二さん(札幌)が、藤枝東には石川竜也さん(山形)、佐賀一平さん(小樽FC)らがいてと。

  他校にそんな面々がいたこともあり、全国に行くのは厳しかったですね。自分が高校3年の時は、1年生の時に負けた藤枝東とまた対戦して、PK戦で自分が外して負けてしまったんです。低学年の頃は、負けて泣けたんですが、責任感を持ってプレーをして自分がPKを外して負けたにもかかわらず「ここで立ち止まってはいけない。もう次だ!」という気持ちが強かったので最終学年の時は泣けませんでしたね。

―プロを意識されたのはいつ頃ですか?
 ずっとなりたかったですけど、本当の意味で意識をしだしたのは、高校2年生から3年生に上がる春休みですかね。浦和レッズのスカウトが日本高校選抜と静岡選抜の試合をみにきて監督から名刺をもらった時です。その後、本格的にオファーをもらったのは9月の国体の東海大会の時だったと思います。

 でも、僕がプロに行けたのは運だと思っているんですよ。自分がスカウトでも絶対に当時の自分を獲ったりしませんから(笑)自分よりもうまい選手は本当に沢山いたんですよ。だって、あの試合の時もスカウトが見にきていたのは僕ではなく、日本高校選抜の選手でしたしね。そんな中、自分自身いつも100%の力でプレーしていたので、運を引き付けていたのかもしれませんけど、偶然その試合でいいプレーが出来たんですよ。偶然が重なった結果なので、運以外は考えられないんですよ、今でも(笑)

―後編ではプロ入り後のことや、プロで成功する秘訣などを語ってくれました。お楽しみに。