2月には鹿児島キャンプに練習参加。松本は当初、プレーがダメなら1日でチームに返すつもりでいたが、好アピールを続けて、練習参加は1週間まで延びた。最終日に行ったロアッソ熊本とのTMでも、持ち味のドリブルでチャンスを演出。スタッフ全員が高く評価したため、4月には正式オファーに至った。反町康治監督も、初めてプロの練習に参加した選手は緊張や遠慮から持ち味を発揮できないケースが多い中、堂々とした立ち振る舞いを見せた点を評価しているという。
オファーを受けてから、他のJクラブを探すことも可能だったが、高校入学を決めた時と同じく松本への加入を即決。村越は、加入の理由についてこう明かす。「チームの雰囲気や先輩方がくださるアドバイスが有難くて、この人たちと一緒にプレーしたいと思った。また、自分の足りない所が松本山雅にはいっぱいある。自分に合っていない場所で、自分のスタイルをどれだけ貫き通せるか試したかったのも決めた理由」。
憧れだったプロ生活では、ルーキーだからと言って臆するつもりはない。「(松本は)J2に落ちてしまったけど、自分が死ぬ気でどんな時でもチームを助けられるストライカーになって、チームを助けたいと思っている」と1年目からの大暴れを誓う。江原氏も「今年の山雅はJ1で一番得点が少ないチームだったので、個で突破して点が獲れる選手の必要性を感じていた。尖って尖って、ドリブルでグイグイ行って欲しい。そういうプレーをすることでお客さんが喜ぶんじゃないかと期待しています」と大きな期待を寄せる。強烈な個性を消すことなく、Jの舞台でも持ち味を発揮できるか、多くの人が彼の活躍を待ちわびている。
(取材・写真=森田将義)