激闘が繰り広げられた東京都の総体一次予選が終了。勝者は6月7日から行われる二次予選へ向け、また、惜しくも姿を消したチームも、リーグ戦や選手権予選に向けた新たな戦いをスタートさせている。高校サッカードットコム編集部ではこの一次予選、印象に残ったチームをピックアップ。少し一次予選を振り返ってみよう。
■関東一
高レベルのポゼッションサッカーを披露していたのは関東一。ダブルボランチの攻守における貢献度が高く、中盤の底から豊富な運動量と正確なパスでチームの連動性を生み出している。守備ではGKの的確な指示のもと4バックは安定した動きを見せ、攻守ともに全体的に基本的な技術が高い印象で、見ていてとても面白い。ダブルボランチの2人には今後も注目だ。次戦は二次予選1回戦。6月7日12時から修徳と対戦が予定されている。
■かえつ有明
その関東一とブロック決勝で質の高い戦いを繰り広げたのがかえつ有明。DFラインとMFの間に1人アンカーを置き、攻守においてのバランスを重視。両サイドをワイドに使い、攻撃を組み立てていたがラストパスにやや精彩を欠いていた。FWを中心に貪欲にゴールを狙う姿勢が見えるようになると、相手にとってもっと脅威になるはずだ。
■修徳
そして、強豪校のオーラを漂わせていたのが修徳。9番・雪江悠人は個で打開できる力を持ち、10番・小野寺湧紀のプレーの質も高い。ロングボールを多用するカウンターサッカーを見せた。ただ、その名前と漂わせているオーラを考えると、もっと相手を圧倒するサッカーを展開してほしいところ。東京予選は厳しい戦い。このままだと、自らに名前負けしてしまう可能性すらある。個人個人のレベルは高いだけに、連携を深めながら攻守においての完成度を高めていくことに期待したい。
■東海大菅生
そんなオーラ漂う強豪相手に果敢に立ち向かうスピリットが素晴らしかったのは、東海大菅生。基本は堅守からのカウンター。両サイドが高いポジショニングからチャンスを作っていた。全員守備、全員攻撃で粘り強い戦いを見せてくれた。
■正則学園
また、惜しくもブロック決勝で敗れたが、今後の可能性を強く感じさせたのは正則学園。チーム一丸となって戦う姿勢は好印象。守備においてのスタミナを高めることが出来れば強豪相手にも善戦できるクオリティを持っていると印象付けた。
■東海大高輪台
その正則学園と激闘を見せたのが東海大高輪台。前線からの守備意識が高く、チームとして声が良く出ており集中力の高さが伺える。帝京戦で見せた貪欲な姿勢がやや欠けていたのが残念ではあったが、しっかり勝ちきる強さは本物。次戦、二次予選の1回戦は、これまた貪欲にぶつかってくる都立野津田との対戦となる。気迫のこもった熱戦となりそうだ。
■帝京
シード校が続々敗れていった一次予選を通じて注目を集めたのがやはり帝京。全体的に高い技術を誇り、中盤からのパスワークやドリブルでの打開など攻撃のバリエーションが豊富。右サイド、左サイド遜色なく攻撃の形を作り出せる力を持っていたが、やや決定力不足は否めなかった。選手権の強豪復活を期待しているファンも多いはず。夏から始まる予選に向け、決定力の向上が急務だ。
全体的にレベルの底上げがなされ、力が拮抗してきている東京都。強豪校と呼ばれているチームものんびりとしていては勝てない状況になっており、逆にいえば、自分たちの信じるサッカーを出しきれれば、勝ち抜く可能性も大いにある。そんな中、一次予選を勝ち抜いたチームは心身充実したチーム揃い。彼らが戦う二次予選は、小細工の利かない、本気のぶつかり合い。それを制してインターハイ出場を決めるのはどのチームなのか、二次予選からも目が離せない!
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平成26年度東京都高等学校総合体育大会一次予選観戦レポート
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