履正社FW廣野大河
現在11節を終え、勝ち点24でプリンスリーグ関西の首位を走る履正社はプレミア昇格へ向けて後半戦を戦っている。その履正社で前線での献身的な守備や起点となる動きに加え、ここまで7得点とエースとしてチームを引っ張るFW廣野大河に大阪産大附戦後(1-1)に話を聞いた。
ーーまずは試合を振り返ってもらってもいいですか?
悔しいです。何とも言えないです。
ーー悔しさの原因は?
前期の対戦の時も難しい前半の中(後半)2点を取って勝つことが出来たんですけど、今回も同様に前半難しいゲームになって、どこが空いているっていうのはみんなが理解していたと思うんですけど。相手は守備のブロックを作ってきて奪った後のカウンターを上手く利用してくるチームというのはわかっていたんですけど、前半上手くいってなかったので平野先生の指示でフォーメーションを変えて攻撃は上手くいったんですけど、その分守備で隙があったかなと思います。前半は失点するようなシーンがなかったので全員が点を取りに行ったところで失点してしまったので、守備のところのリスク管理をもう少し考えていればあの失点は防げたかなと思います。
ーー前半は背後を狙っているものの噛み合わない、前線と噛み合わない部分がありましたが?
それは課題で言われていたんですけど、中盤を経由したら相手が食いつくじゃないですか?その時に相手が前に来る分裏が空くのでそこを全員で狙っていたんですけど、前半はボランチが中盤で上手くボールを受けることが出来ていなくて、そこで上手くボール受けて前を向ければそこからでもいいし、当てて落としてタイミングを上手く作ればもうちょっと僕らの動き出しが効いてきたと思うんですけど、足元で受ける人と背後で受ける人がはっきりしていればもうちょっと簡単に剝がせたんじゃないかなと思います。
ーーゴールは廣野君らしい豪快なゴールでしたが振り返ってもらえますか?
背後を相手が警戒していたので足元で受けて相手を食いつかせておいて、ヘディングで味方からボールが(裏に)来て、それであそこの場面は自信があったので上手く持っていけて前を向いて1対1で勝負することができたので、あそこに入ったら負ける気はしなかったので決められて良かったです。
ーー和倉ユース大会の時に平野先生がDFを背負うプレーが多くなってしまってると言っていたが、前を向けるプレーが出せましたね?
それは和倉で自分が収めてパスをしたり、前を向けるチャンスがあるのに背負って後ろに下げてしまっていて。背負うプレーは自信があるんですけど前向きのプレーには自信がなくて、ちょっと溜めて後ろにパスをしたら「もっと自分で前に行け」と平野先生が言っていたので。それで和倉が終わった後にガンバ大阪ユースと何回か試合する機会があって、その時に大黒さん(ガンバ大阪アカデミー ストライカーコーチ)に裏への抜き方を教えてもらって。力を使う場所、背負うのもありだけど、背負う前に身体の向きとか相手のブラインドに隠れて裏に抜ける事とかを教えてもらったんです。それで背負う場面が少なくなってそこからこの間の橘戦でも裏に何回か抜けれたり、ボールを貰う前のアクションで相手を外したりそういう動きが最近増えてきて、それと背負うプレーのバランスが最近上手く出来るようになってきました。
ーー大黒さんの助言が2試合3ゴールに繋がってますね?
大黒さんが言っていることも、平野先生が普段から言っていることもあまり変わりはないんですけど、やっぱり平野先生から言われていることも意識しつつ、大黒さんから得たことを上手く出していければ。それが最近上手く出来ているのかなと思います。
ーー背負ったりゴリゴリいったりで大好きな林大地選手(シント=トロイデンVV)の感じが出せるようになってますね?
林大地選手みたいにあんなに僕は強くないんですけど、林大地選手が持っていないものも自分は持っていると思うので、違う部分で勝負したら自分ももっといいFWになれるんじゃないかと思っています。
ーー林大地選手を好きなのがプレーからも伝わってくるんですが、いつから好きなんですか?
林大地選手が大学の時から知ってはいたんですけど、その時は凄いと思っていただけであまり意識はしていなかったんですけど、僕が高校2年生の時にサガン鳥栖で点を沢山取っていて、ゴールへの執着心とかが似ていると思ったんです。それでアルゼンチン戦で点を取ったのが格好良くて。
ーー去年は和倉で青森山田とやったことで成長できたから今年もやりたかったと言っていたが、あれを踏まえて大阪に帰ってきてどうですか?
やっぱり実際観たことで得るものもあったので、最近セットプレーでも青森山田の良いところを盗んだり、セカンドボールのこぼれるところを全員がわかっていてアクションを起こすところだったりは自分たちもやっていかないといけないなと思っていて、練習に取り組んでいます。
ーーあの目の前で観たチームがインターハイで優勝しましたね?
試合が出来なくて悔かったですけど、目の前で観て体感出来たのでそれが一番大きくて、そこで学んだものもあります。
ーー個人としての意識は上がっていると思うんですがチームとしてはどうですか?
チームとしても和倉でインターハイの全国大会に出る相手とやれたので得たものはあったので、「こんなんじゃ足りひんな」とみんなで言っていて、各自が大学の練習会に行った時も大学生と比べて自分たちの甘さが出たりもするので、そういうところは普段から練習で一人一人がレベルを上げてやっていかないと、こういう五分の試合でも同点で終わってしまうのかなと思います。
ーー試合後に意見を言い合っていましたが?
一人一人悔しかったと思うので、最後の甘さって言うんですかね?普段の練習からもっともっと深く考えられると思うんです。コミュニケーションだったりとか。そういうところでぬかりなくやっていれば今日の失点も防げたんじゃないかと思うので、そういうところは次の試合に向けてまたやっていきたいと思います。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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