選手権大阪予選準々決勝で興國を3-3からのPK戦で撃破した大阪産大附。積極的な前からのプレスを仕掛け、その強気な姿勢で3度のリードを跳ね返した。その大阪産大附で中西幸司監督が「歴代1位のキャプテン」と絶大な信頼を寄せるMF島田賢斗に準々決勝の試合後話を聞いた。

ーー凄い試合でしたが、試合を振り返ってもらえますか？

　凄く嬉しいですね。去年ベスト8で敗れてしまって、僕は悔しい想いをして1年間トレーニングをしてきたのでこの気持ちはどこの高校の選手にも負けていないと思いますので、今日勝ったことをきっかけにまた来週必ず勝てるようにトレーニングをしたいと思います。

ーー強い相手に対して最初から引かない姿勢で入れたと思うんですが？

　前からプレスを掛けてハメる動きを試合前から何パターンか用意していて、それが上手くハマったシーンが多くて相手も嫌がっているのも感じていました。ただ相手の個人の能力のところでまだまだ自分たちの足りないところが見つかったので、しっかり振り返って来週に向けてまた準備していきたいと思います。

ーーサイドを相当走っていましたが？

　"攻守で活躍する"と自分の中で決めているので、勝っていても負けていてもどの状況でも自分はチームの為に走って、攻撃では得意のサイド攻撃と突破とシュートを常に意識してプレーしていました。守備でもしっかりプレスに行くところとプレスバック、セカンドボールのところと自分の中でテーマを決めていました。ただそれが全部出来たかというと違うので修正して次に向けて頑張りたいと思います。

ーーーー攻守両方で相当走る事が求められますね？

　自分たちはFWもトップ下も凄いいい選手なんですが、自分たちのチームはサイドが武器なので、サイドを中心に攻撃をしている分サイドの守備が多くなるのは必然で、そこの中で"自分たちがどれだけ相手より走って戦えるか"が表れたと思います。

ーー3回追い付く中で、体力的に厳しくなった時に交代で入った選手が活躍しましたが？

　あの子は1年生(後半終了間際にFW福元爽真がゴール)で凄く能力が高くて、僕たち3年生からも信頼が厚いので"絶対やってくれる"と信じていました。

ーー延長後半終了間際のミドルが決まって追い付いた瞬間はどういう心境でしたか？

　試合終了まで勝てると信じていたので負けるとは思っていなかったですし、ミドルが決まった時ももう1点取るつもりで選手たちはやっていたので、凄く嬉しかったんですけど"もう1点"という気持ちの方が強かったです。

ーー島田君にとって興國ってどんなチームですか？

　そうですね、個人の能力が凄く高いチームで、毎年プロを輩出して凄くいいチームだと思いますし、大阪の中でも1.2を争うチームだと思っています。

ーーそこは意識するところはありましたか？

　プロを輩出しているというところで意識はありましたが、試合前にもみんなに「同じ人間だし同じ歳なんだから気持ちで負けていたらサッカーは絶対に勝てない！」と言っていたので、プロだとしても個人のポテンシャルが高くても、それをどう逆手に取って自分たちが守備をして、攻撃をするのかを考えてプレーしていました。

ーーサイド攻撃からFW増田哲平君にかなり決定機がありましたが、あれはチームの狙いでしたか？

　はい、狙い通りです。今回の試合はサイドバックも積極的に攻撃参加して、アーリークロスにもニアで潰れて得点するイメージを持っていたので、それでFW増田に意識して合わせていました。

ーー今まで夏の走り込みだったり頑張ってきた事が実りましたね？やっていて楽しかったんじゃないですか？

　凄く楽しかったですね。相手が興國高校だからあれだけ楽しくやる事が出来ました。そこは本当に興國高校の選手に凄くリスペクトしています。

ーーベスト8の壁を超えましたが次の目標を教えてください。

　僕たちのチームは毎年1年間も目標を掲げてサッカーノートに全員貼るんですけど、そこには"全国出場"と明確に決めた目標があるので、その目標に向かって1年間トレーニングしてきたので、必ず全国に出場出来るように頑張りたいと思います。

（文・写真＝会田健司）