武南 vs 西武台(写真=石黒登)
40分間については今季のベストパフォーマンス。西武台は“最高”の前半で勝負を決めた。
「本当に子供たちもよく理解しながら戦ってくれたなというところはあります。相手の良さを自覚して、しっかりとリスペクト出来ていたということの方が大きかったかなと。そういうチャレンジ的な形でなにしろ相手に負けないというような気持ちで、ひとつひとつのプレーが得点までにうまく繋がったんじゃないかなと思います」と守屋保監督は振り返る。
西武台は武南のドリブル突破、切り替えの縦パスという特徴にしっかりと対応しながら、ボールを奪えばシンプルに攻撃に繋げ、しっかりとフィニッシュで終える姿勢を見せる。。
すると前半6分にショートコーナーから負傷から復帰したDF安木颯汰(3年)のクロスをDF河合陸玖(2年)が決めて先制。9分には今大会初スタメンのMF松原海斗(3年)がエリア左から思い切ってカットインで仕掛け、右足を鋭くハーフスイングして流し込んだ。さらに引水前の19分にはロングスローから10番FW市川遥人(3年)がゲットした。
1点目と3点目はセットプレーからのゴール。攻撃のそれに関しては前日練習のみだったというが、「逆に守備の方のセットプレーを大事にしていて、それが逆に良かったのかなと」と守屋監督。「しっかり守備でやっていれば飛び込んでいくのは怖くない。守備でしっかり自分で責任を持った競り方が出来れば攻撃は気が楽なので、そういう面では非常に良かったんじゃないかなと思います」。守備時のセットプレー練習が結果的に攻撃にも繋がった。
前半終了間際にはDF原田蓮斗(3年)にもゴールが生まれるなど4-0で折り返した。
後半の立ち上がりは一転、押し込まれる展開となったが、1分に守護神・浅沼李空(3年)がビッグセーブを決めると、2分、5分にもピンチを迎えたが、DF武笠隼季(3年)、河合が身体を張ってゴールを投げ出してゴールに鍵。指揮官も「成長」を感じるプレーだった。
決勝は埼玉を引っ張ってきた西武台との一戦に。選手権決勝での対戦は意外なことに初となる。浦和南・野崎正治監督の智将2人による読みあいも気になるところだが、守屋監督は「子供たちと結集して、監督同士の戦いじゃなく、西武台として、チームとして、みんなで戦える準備をしたいと思います」と選手たちとともに11年ぶりの選手権切符を取りに行く。
(文、写真=石黒登)
▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選