藤島監督も絶賛した昌平DF津久井圭祐(左)とFW小田晄平(右)
1月6日、NEW BALANCE CUP 2022 IN TOKINOSUMIKA(通称・裏選手権)の決勝トーナメント決勝、昌平(埼玉)対帝京(東京)が静岡県の時之栖スポーツセンター裾野グラウンドで行われた。試合は天候不良により、30分1本にレギュレーションが変更。雪の中、行われた決勝は両校譲らず0-0のまま30分1本を終え両校優勝で大会を終えた。
試合後、昌平の藤島崇之監督は「課題もありましたが、自信を持ってやれることもありました。そういった意味ではいい機会だったなと思います。また選手権の舞台に今年や来年のチームがいけるように、個のベースアップを図っていかなければと思いますし、モチベーションも凄く高いので。DF津久井(圭祐)が良いので、凄くいい力を発揮してくれて、また強烈な個を産み出せるようにやっていければ」とコメント。
ケガ人が多い中でも今大会の昌平の"個"は新チームとは思えない程のレベルの高さを誇った。話題に上がったDF津久井圭祐に対しては「対応のところが良かったですね。一対一のの対応もそうだし、ビルドアップのところもそうですし、そういうところではほとんどやられてない」と絶賛。実際、準決勝の試合中も藤島監督はプレーをしきりに褒めるほどDF津久井のプレーは圧巻のパフォーマンスだった。
そして「スピードと仕掛けのところはもっている。彼の良さがでるチームになっていければ」と指揮官が期待するU-16日本代表候補で1年生のFW小田晄平は身体も大きく、テクニカルなチームの中で前線で迫力を出していた。「技術的なところが伸びてきている」という同じく1年生のMF長準喜は中盤で持ち前のキープ力をいかんなく発揮しゴールも決めた。「結果にフォーカスしないといけないですが、彼は遊び心を持ってプレーして欲しい」という1年生から活躍しているMF荒井悠汰も抜群の存在感をみせた。
その他にも年代別代表候補の選手がズラリと並ぶ昌平だが、下部組織に当たるFCラヴィーダから続々と能力の高いタレントが上がってきている。実際に決勝のピッチに立ったスターティングメンバーはほとんどがラヴィーダ出身選手だ。ここに高円宮杯U-15準優勝メンバーが新一年生として上がって来るのだから、今年の昌平はさらに層が厚くなると想像に容易い。年代別代表候補の選手であってもし烈なポジション争いを勝ち抜かなければならないだろう。
そんな幸先の良い船出となっている新チームだが、あえて藤島監督に課題を聞くと「相手にとって嫌なことは何か?ってところによりフォーカスしなければいけないかなと思います。自分たちのやりたいことだけをやるんじゃなくて、相手が嫌なディフェンスの仕方だったり、それはゲームによって変わってくると思いますし、ゲームの中で変えていく状況を作ればもっとよくなるかなと思います」と、ゲームの中での駆け引きも必要になってくると話した。
3年連続の選手権出場は逃した昌平だが、今大会を見る限り未来は明るいと言えるだろう。今年は念願のプレミア昇格やインターハイ、選手権でも過去最高成績を叩き出す活躍を今年はみせてくれるのではないか。そう思わせる程の、NEW BALANCE CUPでの見事な戦いぶりだった。
(文・写真=会田健司)
▽2021年度裏選手権
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