GKとして際立つ存在感は県内や九州を飛び越え、アンダーカテゴリーの日本代表スタッフの目にも止まった。U-18代表にリストアップされ、新たな刺激を受けている。今後の伸びしろが大いに期待されるひとりでもある。

 優れた守護神が最後尾にどっしりと構えるチームはやはり強い。その典型ともいえるのが大津なのだ。

 準決勝でぶつかるはずだった関東一(東京B)が大会を辞退したことに伴い(登録2選手から新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たため)、戦わずして決勝進出。複雑な思いが交錯するだろうが、「関東一のぶんも背負って戦おう」と気持ちをひとつにしている。

 決勝の舞台で相まみえるのは、圧倒的な力を誇示する青森山田(青森)だ。ひとつひとつのプレー強度やゴールに向かってくる迫力が図抜けているだけに、キーマンのGK佐藤を軸にした大津がいかに立ち向かっていくのか。記念すべき第100回大会のファイナルゲームにおける最大の見どころでもある。

(文=小室功、写真=矢島公彦)

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権