攻守の要、神村学園MF笠置潤

 高校No.1ストライカーの呼び声高いFW福田師王。そしてすでに2023シーズンのC大阪加入内定を決めているMF大迫塁の2枚看板で注目を集める神村学園。その神村学園で攻守の要になりそうなのがボランチのMF笠置潤(かさぎ じゅん/2年)だ。

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 「大迫・福田に頼りがちなところがある中で、"自分がやらないといけない!"という気持ちが強くなって、今が凄く伸び盛りで楽しみな選手」と、有村圭一郎監督も評価する笠置は、ボールを取られない技術に判断の速さも持ち、正確なキックと運ぶドリブルも得意とするプレイヤーだ。

 コロナの影響で久しぶりの実戦となった九州新人大会の代替大会である2022 九州高等学校サッカー大会~九州はひとつ~で福田・大迫不在の中キャプテンを任された笠置は、攻守両面でMVP級の活躍をみせ、見事にチームを優勝に導いた。

 昨年まではSBとして出場していた笠置だが、「もともとボランチをやっていたんですが、去年まではSBをやらせてもらっていた」自分の代になる今年はボランチに配置換え。ビルドアップでは最終ラインまで下がりゲームを組み立てれば、自ら持ち運んでスルーパスも通す。「遠くから見るようにしていて、フリーならどんどん使いたい」と遠くまで見える視野の広さと、ピタリと通すキック精度も持ち合わせる。

優勝カップを掲げる神村学園MF笠置潤

 そんな活躍をみせた笠置だが、「全部取りたい。まだ取り切れなくてカウンターを食らったりしているので。九州大会では全部取り切れるくらいじゃないと日本一になれない」と、攻守の切り替えや強度に対してコメントすれば、「師王と塁に頼ってしまっているので、いない時こそ自分たちが成長できるチャンス」と福田と大迫に頼ってしまう事への危機感も口にする。

 さらに「まだ左足のキックの精度をもっと上げないと。まだ自分の武器と言えるレベルではない」とキックの質に対してや、「相手がいる方にターンしてしまう場面もある」と判断についても全く納得していない。

 鹿児島城西との鹿児島対決となった決勝戦でPK戦を制し優勝カップを掲げた笠置。結果を残し安堵の表情をみせたが、あくまで「今年の目標は日本一」。代表活動やJクラブへの練習参加など、この先も福田と大迫がチームを離れることが予想される神村学園。この二人への依存度を下げるにはチーム力の底上げは必須。そういう意味でも今年の神村学園の命運を握るのはこのボランチと言っても過言ではないだろう。

【プロフィール】
所属チーム/神村学園
学年/2年
身長/170cm
体重/58kg
ポジション/MF.SB
生年月日/2005年3月22日
中学時所属チーム/姶良市立重富中

 (文・写真=会田健司)

▽2022 九州高等学校サッカー大会~九州はひとつ~
2022 九州高等学校サッカー大会~九州はひとつ~