ハーフタイムに指示を出す平野監督

 平野監督は第3節の敗戦を引き合いに出し勝点1をとった部分に成長を感じている。展開を考えれば勝ち損なったとも考えられるが、長いリーグ戦を考えれば勝点を積み重ねることが何よりも大事なのだ。

 そして指揮官は課題についても言及する。

 「プレミアは簡単に勝点を取れる相手がいるわけではないので。セレッソは良い選手も沢山いるし、"仕留め損なった"と子供たちは思っていると思いますけど、自分たちの足りないところもあって、相手にボールを握られても、奪った後にどれだけアグレッシブにアクションを起こせるかって部分では少し足りない。守備で疲弊してしまって、"~だから出来ない"って言い訳を持ってプレーしている子がまだ何人かいる。その状況でチャンスの時は行かないといけないし、ピンチの時はポジション関係なく状況に合ったベストなプレーをしないといけないし。そこのところがまだまだ課題ですね」

 ボールを握られる展開も多い中で奪った後の素早さはあったものの、攻撃に厚みを持たせるために、起点を作った後にやり直すという部分ではまだまだ改善が必要だ。

 それでもこのハイレベルな相手との試合を経験できることは大きい。

 「楽しいですよ。毎週が全国大会、全国大会でも準決や決勝のレベルの試合をやらせてもらっているので。足りないのは観客がいないだけで、こんなありがたい話はないですよ。だからこそプレミアに留まりたい」

 2015年シーズンで降格を経験したことで、今回はプレミア残留を勝ち取るためにアグレッシブに戦い抜く履正社。

 「ガンバ(ユース)に上がれなかった子がうちには多いので」という中でG大阪ユースを5-2で下し、「セレッソの子ももうちょっといれば今日も勝てたんじゃないかな(笑)」とC大阪U-18とは2-2の引き分け。ユース昇格を果たせなかった選手たちが同じ舞台に立って戦える場所は貴重だ。

 「勝ち負けなんて言うのは実際には2番目で、良いチームとやれるっていう、こんなに楽しいことはないよね」

 監督も選手もこの環境を心底楽しんでいる。充実のプレミア生活。"毎週の全国大会"で履正社はこれからも成長を重ねて行く。

 (文・写真=会田健司)

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