大成イレブン(写真=多田哲平)

 2019年のインターハイで初の全国出場を果たした大成は、3年ぶり2度目の東京都代表の座を狙っている。初戦となった1次トーナメントブロック決勝(5月21日)では都立葛飾野に快勝を収め、2次トーナメント進出を決めた。

【マッチレポート】大成 vs 都立葛飾野

 都立葛飾野戦では立ち上がりからリズムを掴むと、先制点まで時間を要したものの、前半36分に口火を切ってから、前半40分、後半26分、後半38分、そして試合終了間際の後半39分と計5ゴールを積み上げた。

 多彩な攻撃からFW9楫西遥哉(3年)とMF10中村浩太(3年)がそれぞれ2ゴール、途中出場のFW13佐藤亮太朗(3年)が1ゴール。また守っては、DF3渡辺誠史(3年)とDF4多和田鳳月(3年)を中心として堅実にブロックを構築し、相手に決定機をほとんど作らせずクリーンシートに成功。攻守でクオリティの高さを見せた。

 豊島裕介監督は試合後「最初は点が入らな過ぎてモヤモヤしましたが、その後はしっかり点を取ってくれました」と笑顔を見せた。

 試合中の豊島監督の口から度々出ていたのが「欲張りすぎるな」というフレーズだった。つまり、ボールを持ちすぎるなということで、そこには、仕掛ける場面と丁寧につなぐ場面を判断させる意図があった。

 「昔に比べてボールをしっかり扱える選手たちが増えてきた。今年もそういうことができる選手たちばかりだと思っているので、その仕掛けて畳みかけるというか、スイッチを入れるところのメリハリはしっかりつけさせたいなと思っています」と指揮官は言う。

 また、そうした判断力とともに、豊島監督が重視するのが、素早い攻守の切り替えだ。

 「アップを30分として、実質1時間半くらいのトレーニングのなかで、半分くらいは攻守の切り替えのメニューをやっています。『コンパクト』というのがチームのコンセプトなので、局面に応じた走力が重要になってくる。なので、そこを選手には一番言っていますね。

 素走りはさせませんけど、メニューのなかで走力を伸ばす要素はいくらでも入れられる。1回1回のトレーニングの疲労度は相当ですけど、選手たちも手を抜かずに実践してくれますし、だからこそ、どのチームよりも走れると思っています」

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