この試合ではベンチにストライカーのFW千葉大舞が控えていたが、「千葉は来月から選抜だったりで2カ月いないので」と敢えて千葉を起用せず、他のメンバーで試合に挑んだ。

 そこは1年生から10番を背負い、圧倒的なスピードとテクニックを持つ2年生のMF宮原勇太に期待がかかるが、「チームで宮原にシュートを打てるところでプレーさせると言っているんですけど、左サイドがオーガナイズ出来なくて、どうしてもアウトレーンに置いてしまう。だからゴールに直結するエリアで宮原を活かせない。千葉がいたら点は入るんですけど、その千葉を使えないので(笑)」と悩ましい。

 「宮原自身も点を取る場所をオーガナイズしないといけない。MF樺山諒乃介(横浜Fマリノス)とか、永長だったら自分がゴールの近いところで受けるために自分でオーガナイズしていました。サイドで1対1で勝ててしまう分、それをやりたがってしまう。思考がまだ幼いですよね。"2人抜いている俺!"みたいな感じで。じゃなくてチームを勝たせるプレーをしないと。1対1は勝つけどアシストもゴールもないみたいな。そこから一歩抜け出さないといけない」と歴代のエースを引き合いに出して、ドイツで武者修行してきた宮原がもう一皮むける事に期待した。

 千葉がいない事で、宮原がサイドに張ってチャンスメイクの役割が大きく、中に入っていってフィニッシャーになる機会が少ない。今大会では、そこを興國が打開できるか、というのが攻撃面では大きなポイントになりそうだ。

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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
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