1年生で右SBのレギュラーを担うDF上原悠都(写真=多田哲平)
昌平は令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選の準決勝で武蔵越生を1-0で下して、決勝進出を果たした。
この準決勝で先発したのは、GK上林真斗(3年)、DF武村圭悟(3年)、DF上原悠都(1年)、DF津久井佳祐(3年)、DF今井大翔(3年)、MF佐藤海空斗(3年)、MF土谷飛雅(3年)、MF長準喜(2年)、MF篠田翼(3年)、MF荒井悠汰(3年)、FW鄭志錫(1年)。いずれも中学時代に「FC LAVIDA」で育った選手だった。
「FC LAVIDA」は昌平の下部組織に位置するチームで、スタッフ全員が昌平サッカー部のコーチも兼任し、一貫指導を行なっている。2012年に設立されてからメキメキと力をつけ、今では全国有数の強豪に成長した。そして、このFC LAVIDAとの”中高一貫”の指導システムこそが、昌平の強みであり、埼玉屈指の精鋭集団となり得た要素である。
とりわけ大きなメリットのひとつが、1年生が早く試合に絡める点だ。入学したばかりの新1年生でも、藤島崇之監督をはじめとするスタッフは「ジュニアユース年代からどれだけの力を持っているかは把握している」(藤島監督)から、実力がある選手は、すぐにトップチームで出番を得られる。今年4月のプリンスリーグ関東1部ではFC LAVIDA在籍中の中学3年生MF山口豪太が”飛び級”で出場してもいる。
そんな昌平のなかで、武蔵越生との準決勝で先発した1年生が、DF上原悠都とFW鄭志錫の2人だった。
右SBでフル出場した上原は、上手くリスクマネジメントをしながらも、ここぞという時にはサイドを一気に駆け上がり、攻撃に厚みをもたらした。「試合によってまだ波があるんです」と本人は課題を語るが、この日は攻守のバランスをうまく取り、守備面では持ち前のボール奪取を見せるなど、そのプレーにはソツがなかった。
一方、CFの鄭は前半のみのプレーではあったが、高校1年生とは思えない体躯の強さを生かして前線の基準点として働いた。ボールを引き出す機会自体は少なかったものの、テクニカルな選手が多い昌平にあって、その力強さで異彩を放った。このFWについて上原は「去年はLAVIDAのキャプテンをやっていて、リーダーシップがあるし、先輩との関係作りも上手い。プレー面では身体が強く、同じ1年であれだけボールを収められるのは凄いなと思います」と、その頼もしさを語る。
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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選