FW鄭志錫も大きなポテンシャルを感じさせる(写真=多田哲平)
こうしたポテンシャルを感じさせるタレントが次々に台頭するのは、藤島監督の下級生の積極起用を厭わない姿勢やチームの雰囲気も影響しているだろう。
藤島監督は「少し物足りないところがあっても、異質な部分や良い意味で変化をもたらしてくれる選手がいます。ベーシックな部分はきちんと持ちながら、何か変化を見られるのも、サッカーのチーム作りの楽しみでもあります」と話す。
そんな指揮官に抜擢され、FC東京への来季加入が内定しているMF荒井悠汰の他、MF長準喜、MF篠田翼、また武蔵越生戦は欠場していたDF石川穂高らも1年次からレギュラーを掴んできた。
上原も「FC LAVIDAからの昇格」のメリットを実感している。
「LAVIDAからそのまま昌平に来たほうが馴染みやすいのは間違いないと思います。高校に入ってスピード感やフィジカルの部分で慣れるのは大変でしたけど、人間関係では初めからチームに溶け込めました。みんな顔は知っているし、2、3年生はフレンドリーなので助かりました」
上原が昌平で初先発を飾ったのは、3月21日のJヴィレッジカップ・U-17日本代表戦。なんと入学前で、そこから先発の座を掴んでいるという。
「LAVIDAでは今の2、3年生と一緒にはあまり試合に出られなかったですけど、僕が中3の時にクラブユース(選手権U-15)とか高円宮杯とか、関東リーグとかで強いチームとたくさんやってきたのが大きかったです。もともと守備は得意なほうで対人でも結構やれるなと思っていて、高円宮杯(12月)の準優勝でより自信がついて、そのまま高校にいけました。その勢いがあったんだと思います」
中学時代の調子をそのまま高校に持ち込めるのも、一貫指導ならでは。勢いをもたらすニューフェイスが加わった昌平は3大会ぶり4度目のインターハイ全国出場を目指す。東京成徳大深谷との決勝戦は6月19日だ。
(文・写真=多田哲平)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選